ワーキングホリデー(以下 ワーホリ)で渡航できる人気国には、たくさんの日本食レストランがあり、あまり英語ができなくても雇ってもらえる環境があります。
英語を話さなくてもできる職業もあり、1年もあれば何かしら仕事が見つかるケースがほとんどです。
ただし、仕事が見つかるまで海外で生活できる貯金があるといった条件付きだったり、よく話を聞いてみると、パートタイム・カジュアルジョブなどがすべて「仕事」に含まれているため、思っていたのと違うこともあります。
現実には、最低賃金以下の安い時給で働かされたり、1日数時間しかシフトがもらえず全然稼げないケースもよくある話です。
その一方で、英語がそんなにできないのにも関わらず、なぜか条件のいい仕事を見つけて稼いでる人もいます(少数派です)。
そこでこのページでは、ワーホリの仕事で必要な英語力や、英語ができなくてもできる仕事、英語ができないのにワーホリの仕事で稼げる人の特徴についてお伝えします。
目次
英語ができないままワーホリに行くとどうなる?
結論から言うと、英語ができないままワーホリに行っても、ちゃんと資金を準備すれば1年間のワーホリ生活を乗り切ることができます。
- 友達になる人は日本人の比率が高いけど、SNSで繋がる程度に外国人の友達もできる
- 日本人比率が高いシェアハウスや、日本人オーナーのシェアハウスは割と見つかる
- 頑張って多国籍なシェアハウスに住む人もいる
- 仕事は選ばなければある
といった感じで、ワーホリ仲間やルームメイト・同僚と知り合って、視野が広がります。
ただし、
- 海外に住めば自然と英語ができるようになる(身に付く)
- 現地で知り合いができれば仕事を紹介してもらえる
- 海外に行けば何とかなる!
と楽観的に考えているのなら、「こんなはずじゃなかった…」という結果になる可能性が高いかもしれません。
残念ながら、元々の英語力が低くてほとんど英語ができない場合、帰国後に外資系企業で働けるような英語力を1年間のワーホリで身に付けることは難しいです。
「英語ができないと日本人同士でつるむ」と言われますが、それは日本だけじゃなく全世界共通なので、同じ母国語同士の人で集まるループから抜け出すことは簡単ではありません。
また、「英語力ができない+貯金がない」というダブルパンチなら、仕事が見つかる前に資金不足で日本帰国になることもあります。
しかし、強い意志を持って「自分は絶対にそうなりたくない」「せっかくワーホリに行くのにそんなの嫌だ」と思ったら、頑張ることはできるはずです。
語学学校でもシェアハウスでも仕事でも、物怖じせずに多国籍環境やローカル環境に飛び込んで行ったり、英語力を伸ばすための努力を継続することができれば、結果は変わると思います。
英語ができないワーホリ1年間の海外生活はこんな感じ
英語ができないままワーホリに行く多くの人は、以下のような流れで1年間を過ごすことが定番です。
数ヶ月語学学校に通う
↓
様々な国の友達ができる(が、放課後や週末によく遊ぶ友達は日本人)
↓
ホームステイからシェアハウスに引っ越し(たいていの場合は日本人シェアハウス)
↓
数ヶ月の語学学校では英語が伸びないと気付いて卒業
↓
日本食レストランや日本人経営のカフェの仕事、英語力が不要な仕事をする
↓
もっとやればよかったと思うこともあるけど、ある程度満足して帰国する
1年を通した全体的な感想としては、最初は英語でコミュニケーションが取れず楽しくなくても、帰国時には「ワーホリに行ってよかった」と満足するケースをよく聞きます。
たとえワーホリ中に苦しいことがあったとしても、「それはそれでいい経験になった」と納得したり、自分自身の糧にすることが可能です。
中には、本人の英語力に関係なくローカルにガンガン飛び込む人がいますが、そういった人は「語学学校なんていらないし、英語できなくても何とかなるよ」とよく言います。
海外にある「日本語環境」「日本人環境」に甘えず、日本に住んでいたら絶対に出会えない人たちに出会いに行き、日本ではできない経験を自ら体験しに行くことで、たくさんの刺激を受けて爆速で成長するパターンです。
それとは逆に、「人生終わった」と思うくらい後悔する人もゼロではありません。
「海外に行っても英語は伸びない、視野も広がらない」と、貯金をドブに捨てたと感じるケースも稀にあります。
海外ワーホリに行くなら英語力はあるに越したことはありませんが、結局のところ、最終的に行動を左右するのは「マインド」や「心」です。
ワーホリの仕事で必要な英語力
ワーホリの仕事で必要な英語力は、働く場所によって異なりますが、現地で仕事探しをすると「必要な英語レベル」が以下の表現で記載されていることがあります。
英語がほとんどできない場合、初級(Elementary)や中下級(Pre-Intermediate)からのスタートです。
語学学校のクラスのレベルを TOEIC®L&R で換算すると、おおむね以下のようになります。
- 上級(Advanced)=TOEIC®L&R 820点~
- 上下級(Pre-Advanced)=TOEIC®L&R 735~820点
- 中上級(Upper-Intermediate)=TOEIC®L&R 650~730点
- 中級(Intermediate)=TOEIC®L&R 500~645点
- 中下級(Pre-intermediate)=TOEIC®L&R 300~495点
- 初級(Elementary)=TOEIC®L&R 5~295点
※TOEIC®L&R では、スピーキングとライティングがないため、誤差が生じます。
語学学校のクラスは、3ヶ月で1レベル上がるペースなので、ワーホリで最初の数ヶ月語学学校に通っても、卒業時には良くて中級(Intermediate)レベルであることがほとんどです。
しかし、振り分けられたクラスのレベルが低かったり、合わないと感じたら、クラス変更の希望を出したり交渉もできます。
とは言え、細かくレベル分けされている質のいい語学学校なら、プレイスメントテストの結果や先生の評価が、生徒個人の英語力と大幅にズレているケースは少ないでしょう。
英語ができなくてもワーホリでできる仕事
ワーホリでできる仕事自体は40種類以上あり、例を挙げると以下のようなものがあります。
- ウエイター(ウエイトレス)
- ホテルのバンケットスタッフ
- レストランのキッチンハンド
- 皿洗い
- 日本料理店・ローカルレストランのシェフ
- カフェやコーヒーチェーン店のバリスタ
- クリーナー(ホテル・ビルディング)
- 保育士・ベビーシッター (ナニー)・チャイルドケア
- チューター(家庭教師)
- ファーム・WWOOF
- ツアーガイド
- ランドオペレーター
- アクティビティコーディネーター
- レセプショニスト(受付)
- ギフトショップ・アパレル・雑貨店の販売員
- 整体師
- 鍼灸師
- エステティシャン・セラピスト・マッサージ師
- 美容師
- ネイルアーティスト
- まつエクアーティスト
- 語学学校の営業&マーケティング(日本人カウンセラー)
- 教育業界のスチューデントサービスオフィサー
- 日本語教師
- 留学エージェントのアドバイザー
- 事務職(オフィスワーカー)
- 会計士・経理・総務
- 通訳・翻訳
- プログラマー・SEなどのIT系
- ウェブデザイナー
- 情報誌の校正・編集
- 広告営業
- 配送・運送業・ドライバー
- 工場のライン
- 倉庫スタッフ
- 資材調達・バイヤー
- 卵子提供
- 治験
- キャバクラ
- カラオケバー
その他…
この中で、英語がそんなにできないワーホリ(専門技術やスキルなし)でもできる仕事は、以下のものが定番す。
- 日本食レストランのウエイター(ウエイトレス)
- 日本食・ローカルレストランのキッチンハンドや皿洗い
- 日本料理店のシェフ
- クリーナー(ホテル・ビルディング)
- ファームジョブ
- 日本人家庭のベビーシッター (ナニー)・チャイルドケア
- 配送・運送業・ドライバー
- 日系企業の倉庫スタッフ
※ベビーシッター (ナニー)・チャイルドケアは、保育士免許や看護師免許を持っている人が有利なので、未経験では難しいこともあります。
英語があまり話せない時は、
- お客様対応をしない職種
- スピーキング力が求められない仕事
を狙うと、仕事が見つかる可能性が上がるかもしれません。
英語ができないのにワーホリの仕事で稼げる人の特徴
「同じ日本人」「英語がそんなに話せない」にも関わらず、ワーホリで稼いでいる人の特徴を紹介します。
- ローカルジョブを見つけた
- 運がいい
- 行動力がある
- 仕事中は自分から動く
- 真面目に働いている
- 周りに助けてもらっている
- 労働しかしていない
- 人が来ない田舎できつい仕事をしている
- 土・日・祝日・ホリデー期間に働く
- 夜~夜中の仕事をしている
1.ローカルジョブを見つけた
ワーホリで稼ぐために一番必要なことは、ローカルジョブを見つけることです。
日本人経営・日系企業のお仕事は、現地法人やローカルジョブに比べて時給や給料が安い傾向があります。
国によっては、最低賃金以下でスタッフを雇う日系飲食店・日系企業が蔓延しているため、どこの国にワーホリに行くかで給与額や時給が異なるのです。
また、現地法人やローカルジョブだったとしても、外国人の従業員の足元を見る雇用主はいます。
とは言え、給料水準だけで言うと、「日系は安くてローカルは高い」という定説はなかなか覆せません。
2.運がいい
英語ができないのに稼げている人の特徴として絶対に外せない要素は、運がいいことです。
仕事を探す上では、「運・ご縁・タイミング」の有無で採用・不採用が変わってきます。
能力があっても、英語ができても、タイミングが合わなければ仕事が見つかりません。
ですが、「誰でもいいからとにかく今すぐ人手がほしい」にピッタリ当てはまりローカルジョブを手に入れるケースは、まさに「運とタイミング」としか言いようがありません。
※ただし、「ラッキー」だけに頼った無謀・無計画な行動はやめておいた方がいいでしょう。
3.行動力や度胸がある
英語ができないことで、自信が持てず行動範囲が狭くなってしまうことがありますが、ワーホリで稼げる人の行動力は飛び抜けています。
納得するまで調べたり、自分で情報を取りに行ったら、まずはやってみる!受け身の状態で待っている人はほとんどいません。
また、実際に行動するには思い切りの良さも必要ですが、英語ができなくても給料が高いローカルに飛び込める人は、以下のような特徴を持っています。
- 自分から話しかける度胸がある
- どんな国籍の人とも仲良くなれるコミュニケーション能力がある
- 意思疎通が難しくても折れない精神力がある
- 会話の中からひたすら単語を拾って覚える貪欲さがある
ワーホリで海外に行ったら、行動あるのみ!動いたもん勝ち!です。
4.仕事中は自分から動く
仕事が見つかったとしても、働き続けられるかは別問題です。
「教えてもらってないからできない」という言い分は通用せず、自分から動かないことで、逆に「使えない」という評価になることも…。
- 「何かやることはあるか?」と周りに聞きまくる
- 仕事がない時は自分で見つける
- 仕事をお願いされなくても率先してやってみる
- 周りの動きを見て学ぶ
行動力があって自分から動くスタッフは、多少英語ができなくても働きぶりを認められることがあります。
最初は数日だけのアルバイトだったとしても、雇用主やオーナーに気に入られてフルタイムで雇われる話もワーホリあるあるです。
5.真面目に働いている
日本人の性質として、たいていの人は基本的に真面目なので、日本で働くのと同じように普通に働くだけで、そこそこいい評価がもらえます。
レイジーな地元の人やいいとこのお坊ちゃん(留学生)は、仕事をさぼったりすぐにやめてしまうと聞くので、真面目さや忍耐強さは日本人の売りです。
ただし、アジア人差別が強い雇用主の元では、真面目に長く働いているアジア人がスーパーバイザーやリーダーになれないこともあるため、やはりそこはいい雇用主に当たるか?がカギです。
6.周りに助けてもらっている
英語がそんなに話せないのにローカルジョブで稼ぐことができる人は、周りに助けてもらえる環境があります。
- ゆっくり話してくれる人がいる
- 英語が伝わらなかったら言葉を変えて説明してくれる
英語ができなくても海外で働くには、周囲の理解やサポートが必要不可欠です。
7.ひたすら労働している
ワーホリで稼ごうと思ったら、1日数時間程度のランチタイムやディナータイムだけのアルバイトではなかなか難しいです。
ワーホリで稼いでいる人の特徴として、
- フルタイムで仕事ばかりしている
- 仕事を2つ掛け持ちしている
といった、日常生活が労働のみのケースもあります。
家には「シャワーを浴びるため」と「寝るため」だけに帰るワーホリ生活です。
8.働き手が少ない田舎できつい仕事ができる
働き手が少ない田舎での仕事は、時給が高い傾向があります。
もちろん、雇い主経営者により労働環境は異なります。
炎天下での重労働は楽ではありませんし、正直に言うときついです。
また、リゾート地のホテルで住み込みのクリーナーとして働くことで稼いでいる人もいました。
9.土・日・祝日・ホリデー期間に働く
海外の人は、休日は家族と時間を過ごしたいと考えるものです。
そのため、土・日・祝日や連休(ホリデー期間)に働くと、時給が1.2〜約2倍になることがあります。
※渡航する国や、仕事の雇用形態によって、割増料金の有無やパーセンテージが異なります。また、法律で定められていたとしても、割増料金を設定していない違法な経営をしている雇用主もいるので、契約内容の確認が必要です。
10.夜~深夜の仕事をしている
土・日・祝日や連休(ホリデー期間)と同様に、夜~深夜の時間帯の仕事は割増料金が上乗せされます。
「夜の仕事」と聞くと水商売が連想されがちですが、私の友人は、バーやクラブでひたすらグラスを回収する仕事をしていました。
英語力はそんなに必要なく、一晩で一週間分の家賃を稼げるおいしい仕事だったようです。
英語ができないままワーホリに行ったら帰国後どうなる
英語が話せないままワーホリに行ったとしても、
- ワーホリに行く前に社会人経験を積んでいる人
- ワーホリ中にめっちゃ頑張った人
なら、仕事を見つけて普通の生活に戻っていきます。
確かに、簡単に決まる人の方が少数派ですし、キャリアチェンジ・キャリアアップ・職種にこだわるなら、帰国後の仕事探しで苦労することはあります。
ですが、仕事が見つからない背景には、不採用通知をもらった企業の勝手な都合や、住んでいる地域によって仕事自体が少ないなど、様々な要因があることも事実です。
単純に「全部自己責任」と思って自分を責めてしまうと、突破口や次の一手を考えられなくなってしまうので、多方面から物事を見れば自分自身を売り込む切り口が見つかると思います。
とは言え、ワーホリを考える人の多くは、「日本に帰国して仕事がなかったらどうしよう…」と、一度は不安になることでしょう。
ですが、ワーホリに行くか行かないかに関係なく、
- 潰れる会社は潰れる
- 部署やプロジェクトがなくなりレイオフになる
- 業務をまるごと外注することになり雇用がなくなる
- 人件費が高いのに英語ができない日本(日本人)から人件費が安い東南アジアに仕事を移す
といった状況はすでに生まれています。
もはやこれらは、ワーホリ参加者が何とかできる問題ではありません。
「今の仕事を捨ててまで…」と思って安定を取っても、その仕事自体がいつかなくなる可能性もあります。
もちろん、ワーホリに行くことを決断しきれないのなら、今は行くタイミングではないかもしれませんね。
時間(年齢制限まで)に余裕があるのなら、しっかり考えて決めた方が後悔しない選択ができるはずです。
英語ができないままワーホリから帰国→英語勉強を継続したケース
これは稀なケースですが、ワーホリで英語が思ったようにできなかった悔しさがきっかけで、帰国後の英語学習に火がつくことがあります。
ワーホリから帰国時点での英語力が「え、海外行ったのにその程度?」と言われるレベルだったとしても、そこから勉強を続けて伸ばすことも不可能ではありません。
英語学習で一番大事なことは継続です。
せっかく英語力を伸ばして帰ってきても、日本で使わなければ、単語や表現・話し方をどんどん忘れていきます。
「海外ワーホリでどんな思いをして、何を学んで、帰国後にどう活かそうと心に決めたのか?」が帰国後の成長を左右することもあるのです。
【まとめ】英語ができないままワーホリに行くのはもったいない
英語ができないままワーホリに行っても、海外生活自体は乗り切ることができます。
ですが、せっかく「海外ではたらく」機会を得られているのに、英語ができないままワーホリに行くのはもったいないです。
海外で遊ぶだけ・観光や旅をするだけなら観光ビザでも渡航できますし、勉強するだけなら学生ビザでも入国できます。
ワーホリビザは、18歳~30歳までの若者にだけ与えられた特権です。
もちろん、どう使うかは個人の自由ですが、
- 人生を変えたい
- 周りに流されず自分の意志で選択したい
と思うなら、英語学習も仕事も旅も遊びも、1年ぐらい全部本気でやってみるのもアリだと思います。