仕事を探す時に「履歴書を配る」という方法は、日本での就職活動ではあまり主流ではありませんが、ワーキングホリデーを利用して行ける英語圏ではよくある話。

もちろん、求人にも応募しますし、派遣会社も利用しますので、この方法だけがすべてではありません。
でも、オーストラリアの職業訓練学校では、先生ですら「履歴書を配るのが一番確実だよ~」とオススメする方法でもありますし、ただひたすら配り歩くより、分析して配ることで手ごたえを感じることもありました。
ということでこのページでは、海外での仕事探しに役立つ「履歴書の配り方」のポイントとメリットを紹介します!
※仕事探しの難易度は、実感として「ニュージーランド→カナダ→オーストラリア」の順に難しくなります。
まずは現状把握から
オフィス系の求人は応募者が多く、採用担当者は1つの求人に対し200~400通のメールを受けとることがあります。
そんな現状なので、スルーされてしまう応募者もたくさんいますし、私は「100社応募して、どこからも連絡がなかったら、初めて落ち込んでいい」と、採用担当者から面接でアドバイスされました(笑)

私は3ヵ国で現地企業(学校)と日系企業、両方の面接も受けましたが、「この人、絶対履歴書読んでないでしょ!?」 と思うくらい、面接に手こずる採用担当者もいました。
さらに、「明日面接できる?」と呼んでおいて、事前にメールで伝えたことを面接でも確認したら、「わかった、じゃぁまた連絡するわ」と、不自然に切り上げられたこともあります。
つまり、履歴書を添付したメールの内容ですら読まずに面接しているということですね!
誠実に対応している会社もあるので、すべての採用担当者に当てはまることではないのですが、この「読まない文化」のために、お互いの時間を無駄にすることも少なくはありません。
求人情報サイトで情報収集
仕事を探すうえで一般的なのは、出ている求人に応募することですよね?
ということで、まずは情報収集のため、どんな求人が出ているか検索してみましょう!
オーストラリアの求人情報サイト
日本語の求人情報サイト
英語の求人情報サイト
カナダの求人情報サイト
日本語の求人情報サイト
英語の求人情報サイト
Claigslist
Indeed
Canadajobs.com
ニュージーランドの求人情報サイト
NZdaisuki.com
Trade Me
Seek (NZ)
Madison
Adecco NZ
※MadisonとAdecco NZは、短期のハケンの仕事を探す時に使いましたが、フルタイムの仕事もあります。
それではここから、履歴書を配る時のポイントを説明します。
履歴書を配る時のポイント
1.求人が出ていて、履歴書を持って行けそうな場所には足を運ぶ
レストラン・カフェに履歴書を配ることはよく聞きますが、オフィスでも窓口があれば受け取ってもらえます。
私は「メールで履歴書を送ってください」と書いてある求人でも、オフィスに履歴書を持って行ったことがありますが、「今マネージャーと話してくるからここで待ってて!」と引き留めてもらいました。
ニュージーランドのスパで受付の仕事をしている時も、求人を見た人が履歴書を持ってきたことがありましたし、採用担当者に必ず連絡する職場(私の元職場がそうだった)なら、履歴書を見てもらえる機会・面接をセッティングしてもらえる可能性も上がります。
ただし!求人募集広告で「履歴書を持ってこないでください」と注意書きがある場合、おとなしく履歴書をメールで送付することだけに留めておきましょう。
2.中心部から少し離れたエリアで履歴書を配ってみる
手あたり次第履歴書を配っても、全く反応がなく、精神的に萎えてくることがあります。
そのため、履歴書を配るエリアを考えることが必要になるのですが、CBD(Central Business Districtの略)と呼ばれるシティ中心部から少し離れた地域になると、食いつきが変わります。
シティ中心部から Zone 2 のエリアに住んでいる人、結構いますよね?
そんな人はあえて、中心部に履歴書を配りにいかず、Zone 3 エリア(もしくは同じ Zone 2 エリア=住んでいる家の周辺)を狙ってみてください。
私はニュージーランド・オークランドで、中心部から離れたエリアに狙いを定めたら、1件目に履歴書を配ったところから連絡が来ました!
オーストラリア→ニュージーランドと2ヵ国ワーホリを経験者した先輩も、中心部から少し離れた場所での仕事探しの方が、反応がいいと証言しています。

先にニュージー入りしたお姉さんから情報取集した時のやり取り
ニュージーランド自体、ワーホリメーカーの渡航者数が少ないので、効果が出やすのかもしれませんが、そう考えると「ニュージーランドはワーホリの穴場」と言ってしまってもいいんじゃないでしょうか!

3.履歴書はマネージャーかスーパーバイザーに直接渡す
履歴書を渡す人は、マネージャーかスーパーバイザーです!
「マネージャーはいますか?」と必ず聞きましょう。
オフィス系や学校の窓口では、あまりそっけない対応はされませんが、カフェ・レストラン系で、フロアにいるウェイター・ウェイトレスのスタッフや、キャッシャーにいるスタッフに渡すと、受け取ってもらえない or 捨てられることがよくあります。
マネージャー・スーパーバイザーがいない場合、いつならいるか・いつ戻ってくるか、と時間帯を聞いて、再度アタックすることも一つの手です。
でも、「マネージャーはここにはいないわ」と一点張りのスタッフがいたり、取り合ってくれないところは、働いてもろくな職場ではない可能性があるので、次に行きましょう!
4.マネージャー・スーパーバイザーがいなくても自己アピールしておく
もし、マネージャー・スーパーバイザー両者が席を外していたとしても、履歴書を渡す人に少しでもいいので自己アピールしてみましょう!
- あとでマネージャーに履歴書を渡してくれる可能性がゼロではない
- 上手く印象付ければ雑談のネタにしてくれて面接に繋がる
どこでどう転ぶかわからないのが、履歴書を配る仕事の探し方の醍醐味です!
そして、「仕事を探しています」だけじゃなく、自分の過去の経験をサクッと入れてみると、食いつくことがあります。
私は語学学校でマーケティングの経験があるので、同じポジションで仕事を探しています。スチューデントサービスでもアシスタントでも、パートタイムからのスタートでもいいので、何かのポジションで空きがあったり、人手が欲しいということがあったら連絡ください。
一つの応募先でも複数のポジションがあるので、自分ができそうなポジションの名前を思いつく限り挙げておく作戦です。
このぐらいのアピールの方が海外ではちょうどいいですし、「ホームステイのポジションなら空いてるけど、どう?」などと、情報をもらえることがあります。

5.オフィス系や学校なら、履歴書とカバーレターをセットで配る
カフェ・レストラン以外のオフィス系・学校に履歴書を配るなら、「カバーレター(送付状)も用意した方がいい」とアドバイスされました。
カバーレターを準備しなくても、本当に人員を募集しているなら連絡は来ますが、「海外での就活のしかたを知っていますよ」というアピールに繋がるようです。
6.配る時間帯を気にする
オフィス系
社員のランチタイムの時間帯は絶対に避けましょう!多くのスタッフが出払っていますし、マネージャーも高い確率で席を外しています。
学校系
休み時間や、ランチタイムとその後1時間、放課後はなるべく避け、生徒が授業を受けている時間帯に狙いを定めます。
履歴書を配りに行く学校の時間割を把握しておくとベター!
カフェ・レストラン
カフェ・レストランは、ランチの時間帯はNG。客足が落ち着くランチ後の時間帯を狙っていきましょう!
履歴書を配るメリット
「なぜ仕事探しでわざわざ履歴書を配るの?」と疑問に思うこともありますが、実はメリットも多くあるのです。
1.まだ募集開始されてないポジションに遭遇する可能性がある
私が語学学校へ履歴書を配りまくっていた時のこと、1番最初にアタックした学校のマネージャーから連絡が来ました。
面接では「募集開始しようと思ったら、あなたがちょうど履歴書を持ってきたのよね~」と言われたのですが、この例のように、絶妙なタイミングで募集開始前のポジションに遭遇することがあります。

募集が開始されていないということは、他の候補者がいませんので、その段階で面接できてしまうと一人勝ち状態になりますし、“ 働いてもらうこと前提 ”の前向きな面接であることが多いですよ!
2.度胸がつく!
履歴書を配るのって、何度やっても、どの国でやっても、勇気がいります。
入口の前で「入ろうかな…いゃ、ちょっと待て」を3回ぐらい繰り返して、深呼吸しないと入れないこともしばしば(笑)
自分の目の前で履歴書をないがしろに扱われている人を見たことがあるので、「自分のも同じように扱われないかな…」と心配になりますし、受付の人に冷たく突き返されるとため息が出ます。
でも、「ランナーズハイ」ならぬ「履歴書ハイ」のような感覚になる日もありますし、95%ぐらいは普通に受け取ってくれるということがわかると、回数を重ねるごとに怖くなくなってきますよ。

3.「受付がいい=マネージャーもいい」と見極める目が養える
これは数打ってみて実感したことですが、受付の人の対応がいいところは、マネージャーの対応もいい傾向にあります。
よく「類は友を呼ぶ」って言いますよね?
受付の人がしっかり話を聞いてくれたところやにこやかだったところは、マネージャーからも「履歴書受け取ったわよ」と連絡が来たことが数回あります(興味ある/なしに関わらず)。
逆に、最初に顔を合わせた受付担当者に、「この人と一緒に働きたくないなぁ…」という印象を受けたら、私は履歴書を置かずにサラッと帰ります。
というのも一度だけ、履歴書を置かなかった学校が後日求人を出していたことがあり、念のため応募し面接を受けてみたのですが、まさに履歴書をちゃんと読んでいない採用担当者との面接でした。
さらに、否定的な感情がこもっていたのか、少し強めの口調でネガティブな言葉を織り交ぜた質問が続き、最初から最後まで拷問されていた気分…。

日本と海外の面接の違いについては、こちらの記事もどうぞ↓
4.街を歩き回っていると店頭の貼り紙に遭遇する
これは日本でも海外でも同じですが、「スタッフ募集」の貼り紙が店舗の正面玄関に貼ってあるお店、よく見かけませんか?
カフェ・レストラン・セレクトショップ・雑貨屋さん・フラワーショップ・洗濯屋さんなど、履歴書を配り歩いていると、最低でも一度は遭遇します。
店の雰囲気やスタッフの対応などを、お客さんとして観察してから履歴書を渡すか決められますし、そもそも「スタッフ募集」の貼り紙が出ているので「仕事を探している」と伝えた後の話が早いです。
カフェ巡りのついでに仕事GET!ということもあり得るかもしれませんね♪
まとめ:他の方法と組み合わせて、無理なく履歴書を配る
このページでは、「足を使って履歴書を配り歩く」という仕事探しの方法を書いていますが、飛び込みで自分を売り込むことは、たまに心が折れそうになります。
履歴書を配ることは、直接スタッフとのやり取りができるので、情報収集や面接の機会を作るうえで確実な方法ですが、他の方法と織り交ぜて仕事探しをすると効率的です。
- 求人に直接応募してみる
- 派遣会社に登録してみる
- 友達にポジションの空きがないか聞いてみる
- 気になる求人もない、面接もない日に履歴書を配ってみる(多分1週間のうち4~5日ある!笑)
一般的な仕事の探し方・コネなどの方法も合わせながら、空いている日を有効活用して履歴書を配ってみましょう!