海外の就職活動では、実は履歴書よりも大事な「カバーレター」。
日本で言う「送付状」のようなものですが、日本の送付状とは違い、海外の就職活動でのカバーレターは自己PRの場所です。
企業の求人に応募する場合は履歴書と一緒に提出を求められますが、大企業に応募する場合と、中小企業や個人の会社に応募する場合、リクルーターを使う場合で変えていかなければいけません。
そして実は、カバーレターを用意しなくても面接に受かるということもあります(笑)
そこでこの記事では、
- 海外の就職活動における応募先別カバーレターの書き方
- カバーレターがなくても大丈夫だったケース
- 実際にダメだしされた書き方のポイント
についてお話しようと思います。
カバーレターは応募先によって書き換える
1.大企業への応募/現地の信頼できる求人情報サイト掲載求人への応募はベーシックな型を重視する
海外の大企業への応募や、現地の信頼できる求人情報サイトに掲載されている求人へ応募する時は、ベーシックな型を重視したカバーレターを作成しましょう。
以下、オーストラリアやニュージーランドでの就職活動でよく利用される、「SEEK」に掲載されていたサンプルです。

出典:SEEK
でも実は私、この「応募する会社名」や「応募する会社の所在地」を記載した書式のカバーレターを使ったことがありません(笑)
というのも、現地の人に聞いたところ、この書式は現地の大企業を受ける時や本当に型にはまったスタイルが必要な企業への応募の場合には外さない方がいいというもの。
企業のホームページに掲載されていた求人を見て応募する時や、現地の人が利用する転職サイトに掲載されていた求人に応募する時は、この書式で作成することが必要です。
ですが私は、英語ネイティブが集結する海外の大企業へ応募するほどエリートではないため、先方の会社名や応募先会社の所在地を省いた書式(次で紹介します)を使いました。
2.個人経営など小さな会社への応募、履歴書を配るときに使った書式はこれ!
以下の画像は、私がカバーレターを作成するときに参考にしたサンプル例です。

出典:KICKRESUME
このサンプルでは、応募する会社名の記載がありませんし、カバーレターの書き出しのフレーズで良しとされる「I am writing to apply for…」という文章から書き出しているわけではありません。
ですが、現地の人たちのカバーレターを見せてもらうと、案外この書式を使っている人が多くいます。
私自身、オーストラリア・カナダ・ニュージーランドの現地で就職活動をしましたが、
- オーストラリアのマーケティングマネージャー
- カナダの人事マネージャー
- ニュージーランドの事業開発マネージャー
のような、採用に関わるポジションに就いている方々にカバーレターの添削をお願いした時、書式について問題を指摘される事はありませんでしたし、通っていたビジネスコースでカバーレターの添削をお願いした時も、ダメ出しされる事はありませんでした。
さらに、カバーレターの書き方を海外のサイトで探してみると、先方の会社名や所在地を記載していない書式のサンプルが多いんですよね。
そう、カバーレターは自己PRの場所!人物重視だったり、パーソナリティーが見える人を面接に呼びたいと考えている人事担当者もいますし、いかに自分の履歴書に興味を持ってもらえるかが大事なので、書式や形式がすべてではありません。
実際に、この書式のカバーレターで私や私の友人が面接をパスした現地の会社をあげると
- 語学学校
- 現地の雑貨店
- 現地ホテルスタッフ(多分ホテルの規模や採用基準による)
- オフィスワーク(事務社員)
- 受付
などがあります。
書式も大事ですが、実際はカバーレターに書かれている内容の方を見られていますよ!
3.リクルーターを利用するときは一般的なものと特定の会社求人用の2つを用意する
これは私の友人情報ですが、転職エージェントやリクルーターを利用して仕事探しをする場合、どこの会社に送っても通用する一般的なカバーレターと、特定の会社への応募用カバーレターの2種類を用意するとベター!
実際に紹介された求人を見て自分で用意することが基本ですが、一般的なカバーレターを用意しておけば(場合によっては)リクルーターが応募先の会社に合わせて書き換えてくれることもあるようです。
英語ネイティブのリクルーターが応募用のカバーレターを代わりに作ってくれたら心強いですね!(笑)
4.カバーレターがなくても大丈夫なケース
カバーレターは履歴書以上に重要視されるというのが海外就職活動での常識ですが、それは現地企業のフルタイムポジションなどでしっかり働きたい時。
- カフェやレストランに応募する場合
- 履歴書を配る場合
- 店頭に求人張り紙を見て応募する時
など、カバーレターがなくても面接に繋がることもあります。
現地の会社でのオフィスワークでも、「とりあえずこの会社気になるから、履歴書置いてみようかな」という軽い感じで試すなら、カバーレターを用意しないこともあります。
そして案外そういうところから連絡がきたりもするのです(笑)
海外のビジネスコースでダメ出しされたカバーレターの書き方のポイント
それではここから、実際にダメ出しを受けたカバーレターの書き方のポイントをお話しします。
1.「Dear Sir and Madam」「To Whom It May Concern」は古い!?
マネージャーや面接担当者、ディレクターの名前が分かっていれば「Dear Mr(Ms). ○○」と採用担当者あてにカバーレターを書けばいいのですが、中には、担当者の名前が載っておらず誰に宛ててカバーレターを書けばいいのかわからない求人があります。
そんな時、「Dear Sir and Madam」「To Whom It May Concern」と書くと習ったのですが、実はこの書き方はもう古いらしいのです。
誰に当ててカバーレターを書くべきかわからない時は、「Dear Hiring Manager」と書き出しましょう。
「Dear Sir and Madam」「To Whom It May Concern」でも間違いではないので、絶対に使ってはいけないということではありませんが、時代に合わせたカバーレター作りができた方がいいですよね!
2.履歴書へ導くための本文の書き方
①:志望動機
簡単な挨拶から始まった後、最初の段落には
- なぜこの求人に応募しようと思ったのか
- 自分はなぜこのポジションにふさわしいのか
- このポジションがなぜ重要なのか?
など、応募に関しての自分の位置づけを書きましょう。
②:過去の実績や経験の紹介
次に、過去の経験や実績の紹介し、どのような経験をしたのか、そこから何を学んだのかということを書きます。
そこから、「自分なら何をもたらすことができると思ったのか」というところまで、実際に自分が働いていることをイメージして書けると最高です。
➂:自分の性格や能力の紹介
自分はどのような人物で、どのようなことに情熱を持っているか、どういったことが得意かという自分の紹介を書いていきましょう。
そして、自分の紹介をする時には大げさなくらい自分で自分の事を褒めちぎります。使う単語も、ポジティブな単語のなかでも強い意味を持った単語を使うべし!
ここまで書けたら最後に、「私の履歴書を見てくれるとありがたいです」と締めくくります。
3.結びの一言は「宛名」に合わせる
カバーレターで使われる結びの一言にも、最新性というものがあります。
書き出しの宛名の部分で「Dear Hiring Manager」と書いたなら「Sincerely」でOK!「Sincerely Your」「Your Sincerely」でも問題ないですね!
宛名に「Dear Sir and Madam」「To Whom It May Concern」と書いた場合は、「Yours Faithfully」を使いましょう。
そして、ちょっと古くなりつつある言葉が「Best Regards」や「Kind Regards」。どうせ使うなら、今の主流の結びの言葉を使うに越したことはありません。
実際あったやってはいけないカバーレター書き方失敗例
それではここから、私が働いていた現地の会社に送られてきたカバーレターの中で実際にあった失敗例を紹介します。
1.「I am = I’m」と短縮しない
カバーレターの書き出しで「I am writing to apply for…」という表現を使うのは一般的ですが、「I am」の部分を「I’m」という短縮した書き方はNGです。
カバーレターでも履歴書でもそうですが、フォーマルな文章を書くときには、すべて「単語」「単語」で書かなければいけません。
2.「お返事をお待ちしております」で「I am looking forward to hearing from you」は正解?不正解?
先ほどの項目で、「I’m」と短縮はしてはいけないと書きました。では、結びの文章の「I am looking forward to hearing from you」はどうでしょう?
実はこれは不正解。
正しくは「I look forward to hearing from you」という、「主語+動詞の原形」の文法を使って書き出すことが必要です。
3.コピペをしたら、必要な個所を応募する会社名に書き換えよう!
以前送られてきたカバーレターで、
「I am writing to apply for the ○○ position at your association」
と書かれていたカバーレターがありました。
この「at your association」という表現は、サンプルの例として使われているだけなので、your associationの部分は「at ABC company」のように、応募する会社名に書き換えなければいけません。
コピペだとバレバレです(笑)
カバーレターを作り慣れていない頃はコピペを利用したくなりますが、書き換えることは絶対にお忘れなく!