海外4ヵ国で就職活動してわかった日本と海外の面接の9つの違い

チファニー
こんにちは、「Borderless Traveworker (ボーダレス・トラべワーカー)」を運営しているチファニーです!

海外就職を目指す人なら必ず通る「海外面接」。

初めての人にとっては未知の世界で、日本と海外の面接にはどんな違いがあって、どんな流れで面接が進むのか、漠然と不安を抱くこともあると思います。

そこでこのページでは、20代でオーストラリア・カナダ・ニュージーランド・マレーシアの4ヵ国で現地の会社の「営業・マーケティング」のポジションに体当たりで挑んだ私が、数々の面接を受けてわかった「日本と海外の面接の違い」についてをまとめます。

※「海外4ヵ国」と1つにまとめていますが、日本とは違う多民族国家での面接ですので、面接官の人種・国籍はバラバラです。国別に細かく分けられないことをお許しください。

日本と海外の面接の違い9選

まずは、日本(日本人面接官)と海外(現地の面接官)の面接の違いについてお話しします。

1.【TOEIC無意味説】英語は話せなきゃ意味がない!

海外の現地の会社で働く上で、最低限必要になるのは英語力!

日本ではまだ、英語力の証明として「TOEIC」の点数が重視されていて、日本(や日系企業)の面接ではTOEICの点数を知りたがる傾向にありますが、リスニングとリーディングのみでの判定となり、海外では全く使い物になりません。

海外の現地の会社で働くなら、英語が話せることが前提ですし、そもそも面接自体が英語になります。

海外でスタンダードな英語の試験といえば、IELTS(アイエルツ)検定・ケンブリッジ検定・TOEFL(トーフル)検定で、TOEICは日本と韓国以外では知名度が皆無に等しいです。

英語の検定試験には「TOEICに換算すると○○○点ぐらい」という基準がちゃんと用意されていますが、面接官自身がグローバルな環境に身を置いていれば、これらの検定試験のスコアをTOEICに置き換える必要はありません。

面接自体が英語ならば、相手の英語力が使い物になるか判断できると思うので、英語の検定試験のスコアすら必要ないことがほとんどです。

逆に、英語の試験のスコアが低いなら「履歴書には書くな!」とアドバイスされましたし、TOEICで900以下ならNO!」のようです。

 

2.「履歴書の空白期間」に対する質問の違い

日本人との面接で特徴的なことの2つ目は、「履歴書に書かれていない空白期間」についても質問されること。

英語の履歴書は、日本の「使いまわし」の履歴書とは違い、求人募集している会社や職種に合わせて書き換える「ターゲットCV」。※「CV(シーブイ)」=履歴書

私は海外3ヵ国で働いてきて、日本も現在5都市目。そして、掛け持ちで仕事をしていたこともあります。

「日本と海外の国の移動+日本国内での都市移動+募集しているポジションにマッチしていない職歴を削る」という3つの要素が組み合わさると、どうしても空白期間ができてしまうのです。

もちろん、「空白期間に対する質問どう答えるか?」を事前に用意しておくことは必須ですし、それは海外就職で現地企業を受ける場合も、日本の企業を受ける場合も同じです。

でも、私の経験上、海外の面接で担当者から「空白期間に何をしていたか?」を聞かれたことはありません(もしかしたら、私が外国人だったからという理由もあるかもしれません)。

逆に、日本の面接官では「次はどこに飛んでいるの?」「この期間は何やっているの?」「なんでこんなに空白だらけなの?」という質問で20~30分を要することもありました。

「履歴書に書かれていない空白期間を質問するか?」について、オーストラリアのマーケティングマネージャー、カナダの人事マネージャー、ニュージーランドの事業開発マネージャーに聞いたところ、以下のような回答をいただいています。

  1. 移民が多い都市に住んでいたり、グローバルな環境に身を置く人なら、家族での移住・パートナーの海外赴任という理由で国をまたぐ人も多く、空白期間があって当然。
  2. 結婚・妊娠・出産という人生のステージの変化かもしれないので、あえて聞かない。

日本は単一民族国家で、日本に住んでいる人は「日本人」が多く、周りと似たような人生を歩んでいなかったり、周りと似たような経験値を持っていないと激しく突っ込まれるのが現実。

ですが海外面接では、面接に来る人の国籍もバックグラウンドも国の事情もバラバラなので、「なぜ人と違うのか?」ではなく「うちの会社で何ができるか?」が面接においては重要なのです。

 

3.【海外では聞かれない】将来の結婚予定・パートナーの有無

カナダ人の人事マネージャーが言っていた「結婚・妊娠・出産という人生のステージの変化かもしれないのであえて聞かない」という点に関してですが、逆に日本国内での面接は、結婚の予定・パートナーの有無というプライベートな質問も聞かれますね。

履歴書にも配偶者の有無を書く欄があるくらいですし、すぐにやめられては困るという理由もわかります。

ですがこれ、セクハラです。

英語圏3ヵ国のマネージャークラスの人たちは、社員の人生ステージが変わる時は、希望によって勤務時間・雇用形態の話し合いの場を持ち、スタッフが働きやすいように対応するという、柔軟な考えを持っていると教えてもらいました。

ですので、面接の段階でプライベートな質問は聞かないことが基本のようです。

 

4.【質問内容の違い】海外面接はスキルや経験・業務に関する質問が9割以上!

海外の面接でも日本の面接でも、「簡単な自己紹介から入る」という点においてはどちらも同じですし、業務に関する話が中心なのは共通です。

でも海外面接では、空白期間の確認やプライベートな質問をする時間を、スキルや経験に関する質問をする時間に充てるので、面接後の疲労感が日本の面接に比べて半端ない!!(まぁそれも「英語で面接しているから」という理由もあります)

でもそれは、落とすために面接しているのではなく、採用を前提として面接をしている(話を進める)からなので、受ける側としても気合が入ります。

面接と言っても、個人経営の会社の場合や面接する国によっては、お堅い内容の話だけでなく、ちょっとしたフランクな雑談や時々ジョークも入ってくることがあります。

チファニー
その絶妙なフランクさは海外特有で、日本の面接ではその雰囲気を絶対味わえないですね!

 

5.【長いのは日本?海外?】面接時間の長さの違い

日本の面接でも海外の面接でも、これまでの経歴について話すことは当然なのですが、日本人との面接の場合、履歴書の空白期間にまで質問が及ぶので、面接の時間が比較的長い傾向にあります。

採用を検討する面接だったとしても、海外の面接で1時間に及ぶことは滅多にありません。

※海外の面接で所要時間が1時間になるのなら、実際に現場を見せてもらったり、社内を少し案内してもらうということもあります。

 

6.面接の流れに違いがあるのは履歴書フォーマットの違いのせい?

日本での面接や日本人面接官との面接の際、面接中に履歴書に目を通す時間が長いと感じることがよくあります。

そのせいか、海外の面接と比較して若干流れが悪いなぁ~と感じるのこともあるのですが、その原因の一つは、履歴書のフォーマットのせいではないか?と思うのです。

日本の就職活動で用意するものは、職歴や学歴・資格・志望動機を書く「履歴書」と、それぞれの会社で何をしたか?を書く「職務経歴書」があります。

履歴書には時系列に職歴を書いていくだけなので、業務内容の詳細は記されず、面接現場では履歴書と職務経歴書を行ったり来たり…

事前に履歴書は読んでくれている…とは思うのですが、海外の履歴書のように、A4サイズの紙に職歴と業務内容が詰め込まれている履歴書よりも、目を通さなければいけない「紙」の枚数が多いのは事実です。

海外就活で使う履歴書は、A4サイズの紙に職歴と業務内容が書かれた、以下のようなシンプルな履歴書(こちらサンプルです)↓

日本語履歴書の職歴の書き方とは違い、最新の職歴から古い職歴の順に上から書いていきます。

そして、先ほども述べましたが、海外の就活で使う履歴書は応募するポジションに合わせてその都度書き換える「ターゲットCV」なので、日本の履歴書のようにすべての職歴を羅列しません。

チファニー
情報を盛り込みながらも1枚の紙に簡潔に作成するため、履歴書と職務経歴書を行ったり来たりする必要はないんですね!

 

7.【履歴書読んでる?】面接前の候補者の選定度合いの違い

海外では、中途採用求人募集をかけた段階で採用担当者には100通以上(多いと200~400)の応募メールが届くことがザラにあります。

※海外には日本のような新卒採用がなく、エントリーシートもありませんので、エントリーシートが1万~2万という例とは違います。

そのため、興味がある候補者がいたら履歴書をちゃんと読み、求めている人材に当てはまるかどうかをまず考えてから面接に呼ぶのです。

面接に呼ぶ人を選定するという点は日本の面接でも同じですが、海外では書類審査を通過するだけでもかなり狭き門になるので、応募する際は「履歴書」と「カバーレター(日本で言う送付状)」を作り込んでおきましょう!

【英文履歴書】海外就活で面接に繋げるレジュメ/CVの書き方

2019-12-22

ちなみに、私を面接に呼んでいただいた海外の現地会社の採用担当者は、面接で確認する履歴書の箇所に事前にチェックマークをつけていたり、質問事項のメモ書きをしているなどして面接に対応してくれていることが多くありました。

チファニー
まぁ、海外面接でも履歴書をちゃんと読んでいないのに面接に呼ばれるということもありますが、それは極端に悪い例なので以下の記事にまとめています。

 

8.海外面接で突然打ち切り?日本では候補者は最後までお客様

日本の面接では、あからさまに面接を打ち切られることは(よっぽどでなければ)ないかと思いますが、海外の面接ではごく稀に起こります。

日本の場合、「落とす予定の候補者にはいい企業イメージを持ったまま帰ってもらう」と努力をする企業もあるため、面接官の話すトーンに大幅な波がなく、最後まで丁寧なことが多いです。

先ほど「海外では採用を目的とした面接になる」と述べましたが、逆に不採用と決断した途端、突然面接を打ち切る面接官もいました。

勤務時間・条件交渉の話し合いの最中、まだ質問している途中なのに「わかったわ。では結果は後で連絡するね」とすぐに態度を変えるところは、海外らしいと言えば海外らしいのでしょうか…。

日本では、就活中の人による企業の面接実態がSNSで拡散されることがありますが、海外ではあまり聞かない話なので、突然の面接打ち切りはあり得ることなのかなと思います。

 

9.お給料はすでに決まっている?交渉可能?

日本の面接では、企業側から「お給料は年俸○○○万円です」「月収○○万円です」と提示されることが多い傾向にありますが、海外では求人票に金額を表示せず「Negotiable(交渉可能)」と書かれている求人をよく目にします。

そんな求人の面接では、最後にお給料の確認をする時に「いくら欲しい?」と聞かれることもあり、時々「えぇ~!?」となるので準備が必要になりますね。

面接の場で

  • 前任者はいくらだったのか?
  • 新しいポジションの場合は相場がいくらか?

などを確認し、過去にもらっていた年収と比較して交渉するのもアリです。

 

【海外面接の流れ】よく聞かれる質問

それではここで、海外面接はどのように進行するのか、お話ししましょう。

海外面接の大まかな流れ

自己紹介(Tell me about your self=あなたのこと教えて!)

志望動機や会社への興味など、面接でよく聞かれる一般的な質問

経験や達成したこと・そこから何を学んだか?に関する質問

問題解決能力・対応力に関する質問(例:こんな状況ではどうする?)

応募先の業務内容の確認をしながら、「あなたこれできる?」「あれできる?」というテクニカルクエスチョン

条件・勤務時間などの確認(基本的には採用を目的とした面接になるので質問自体は前向き、そしてかなり細かい)

基本的に、日本の面接と似た流れになりますが、面接官はいろんなバンクグラウンドを持つ人を面接するので、1つ1つの経験を語る時に具体的な例を用いて、相手にわかってもらえるように説明できるといいですね!

 

経験に関する質問に答える

経験に関する質問に答える時は、次のような構成で話すことが理想とされています。

  1. 事象が起こったシチュエーションを話す
  2. あなたが何をしなければいけなかったのか「課題」を話す
  3. その課題をクリアするためにどんな行動を取ったのか?
  4. 最終的な結果

過去の辛かった話、問題や新しい課題にぶつかった時に乗り越えた話をすると、適応能力と問題解決能力を同時に伝えることができます。

 

海外面接でも「日系企業」「現地企業」「面接官」により変わる

ここまで、「日本と海外の面接の違い」についてまとめました。

海外で受ける面接を「海外面接」とひとくくりにしていますが、実は「日系企業」を受ける場合と「現地企業」を受ける場合、面接官が日本人か?現地の人か?によってだいぶ変わります。

海外の日系企業を現地採用で受けるなら、面接官は日本人の可能性が高くなりますので、日本の面接対策の方が役に立つでしょう。

でも、日系企業の面接なのに、現地の人や海外から赴任してきた外国人が面接官の場合もあります。

どちらにしても言えることは、海外面接の準備(特に経験やスキルや過去の業務内容についてのボリュームを増やしておくこと)をしっかりしておけば、日本用の面接に切り替えることは比較的楽ということです。

国や面接官によって傾向・違いはありますが、少しでも海外で就職活動を考えている方の参考になれば嬉しいです。