
ニュージーランドのスパで働き始めた頃、時々残業することがありました。
- 次の日に仕事を残さないように
- 他の人に迷惑をかけないように
と思って実行した、たった20分の残業を月に2回程度だったのですが、マネージャーに注意されたのです。

実は、オーストラリアの語学学校で働いていた時も、カナダの語学学校で働いていた時も、定時を過ぎても会社に残っていると「早く帰るべし!」と現地の上司や先輩に言われることが多かったのですが、その裏にはちゃんとした理由がありました。
ということでこのページでは、私が経験した「残業をすることが他の人に迷惑な理由」についてお話ししたいと思います。
目次
売り上げが上がっていないなら、残業は会社にとって人件費の無駄
先ほどお話しした、ニュージーランドのスパでの20分の残業の話。
そのスパでは、基本的に働いた分は残業として申請してもOKでした。
終業時間いっぱいまで、自分が片づけられそうな仕事には手を付け、閉店間際にかかってきた電話にも対応していました。
そのせいで退勤時間が20分オーバーになってしまうこともあったのですが、時々残業申請する私の勤務表を見たマネージャーからこう注意されました。
「なんで6時に帰れないの?」
実はその残業をした日に共通していたことですが、閉店間際に売り上げも上がっておらず、予約のお客さんもいなかったのです。
残業しても認められるのは
- 閉店間際にお客さんが来店して、商品を購入してくれた
- 電話で翌日のトリートメントの予約が入った
- 飛び込みでトリートメント希望のお客さんが来店した
このような、売上に結び付く業務のための残業ですが、その場合は、着信履歴と予約の電話番号を照らし合わせたり、レシート発行の時間で確認ができ証明できます。
ですが、それ以外の事務処理での残業は、基本的には「人件費の無駄」というのがオーナーの考えなのです。

残業することによって、割増しの人件費が発生することは、店のオーナーにとっては迷惑になる。
そういう理由からそのスパでは
- 閉店時間15分前からは、もう電話に出なくていい!
- メールが残っていても、未読のままにして翌日の担当スタッフに回す
という、残業しないための取り組みがあったのです。
自分が残ることで他の人に迷惑がかかる
このことを学んだのは、カナダの語学学校で働いていた時のこと。
生徒の対応が長引き、退社時間ギリギリになりました。
そのため若干、閉館時間を過ぎてしまったのですが、この時に迷惑をかけてしまったのは最後に施錠をしなければならない同僚。
そうです!私が残業したことによって玄関の施錠ができず、後片付けが終わるまで待たせてしまうという事態になったのです。
同僚が仕事後に何の予定もなければいいのですが、予定が合った場合は遅れてしまう可能性もあります。
残業をすることによって迷惑をかける相手がいるというのは、残業することが感謝される24時間営業の職場や、夜中まで電気がついているオフィスでは、あまり経験することがないかもしれません。
でも、迷惑をかけて初めて、残業することの罪悪感を感じました。
残業してるのに自分の以外の仕事に対応しなければならず非効率
これは、オーストラリアの語学学校で働いていた時によくあった出来事です。
自分の仕事が残っているから残業をしているのに…
「本日の営業は終了」しているからドアを閉めて姿が見えないようにしているのに…
部屋の窓からチラリと見える私の姿を見かけて呼び鈴を鳴らされたり、雑用をお願いされたり、ということが何度かありました。
結局、自分の仕事には集中できず、仕事を持ち帰る羽目になったのですが、その時に学んだことは、残業をするとかえって非効率になるということ。
残業しても残業しなくても、結局仕事を持ち帰るなら、同僚が退勤する時間に合わせてさっさと帰る方が、仕事に集中できる時間を確保できると気づいたのです。

残業することが感謝されない世界もある
- 上司よりも先に帰れない
- 残業しないなんて一人前の社会人じゃない
- みんな残業しているから一人だけ帰れない空気
日本で残業する理由には、様々な背景があります。
でも、世界中にあるいくつかの国や会社では、残業が無駄で迷惑、残業しても感謝されない世界もあります。
日本のサービス残業や、残業しなければいけない空気がなくなりますように…。