留学やワーキングホリデー(以下 ワーホリ)に行く人の中には、海外に行けば英語はなんとかなると思って渡航するケースがあります。
でも実際のところ、留学やワーホリで海外に行くだけ・語学学校に通うだけでは飛躍的な英語力の向上は望めません。
私はオーストラリア・カナダ・ニュージーランドの現地法人で働き、帰国後はインターナショナルスクールで英語で仕事をした経験がありますが、現地法人のオフィスワークをしても、毎日英語で生活しても、一定のレベルに達すると伸びや成長が止まると感じたことが何度もありました。
ですがごく稀に、たった1年の海外留学でネイティブレベル並に英語ペラペラになって帰国する人もいます。
そこでこのページでは、
- 1年の海外留学でネイティブレベルの英語力を身に付ける人の特徴
- 海外に行ったり語学学校だけでは英語が伸びない理由
- 英語力を伸ばすために現地でやること
についてお話しします。
目次
海外留学1年でネイティブレベル並に英語ペラペラになる人の特徴
私が働いていたインターナショナルスクールでの話を例に挙げてお話しします。
比較的「英語が伸びやすい」と言われる学生時代に、海外の現地校やインターナショナルスクールに通っても、英語での授業に慣れて英語力が身につくまで2〜5年かかると言われています。
海外で2〜5年、英語で教育を受けた秀才の帰国子女でも、帰国時の英語レベルはネイティブレベルの一歩手前と評価される程、ネイティブレベルの英語力を身に付けることは簡単ではありません。
ですが実際のところ、ごく稀なケースですが、1年の海外留学でネイティブレベル並の英語力を身に付けて帰国する人もいます。
そういった人の最大の特徴は、元々の偏差値やIQが高く、東京大学や京都大学に現役で合格するレベルです。
また、語学の才能がある人もいます。
多くの帰国子女は、海外で生活をすると日本語力が落ちハンディキャップを背負いますが、1年でネイティブレベル並の英語力を身に付けられる人は、ハンディキャップを物ともせず結果を残せる才能がもともと備わっています。

でも逆に言うと、1年でネイティブ並に英語ペラペラにはならないことが普通だから焦らなくても大丈夫ということです。
- 3ヶ月で英語ペラペラ
- 短期間でビジネスレベル
といったことが、辻褄が合わないとわかるようになります。
留学/ワーホリ/語学学校だけで英語が伸びない理由9選
それでは次に、海外留学やワーホリで語学学校に行くだけでは英語が伸びない理由をお伝えします。
- 語学学校の授業だけでは十分ではない
- 初級〜中下級クラスには日本人が多い
- 授業を受けただけで英語を勉強した気になっている
- ある程度英語で生活できると満足する
- 同じフレーズ・構文・単語を使っている
- 間違っても相手に伝わればOKと思っている
- 一定のレベルを超えると覚える領域が一気に広がり愕然とする
- 英語力以前に日本語力が低い
- 英語力を伸ばした先に目標がない
1.語学学校の授業だけでは十分ではない
海外留学やワーホリで英語を伸ばすためには、語学学校の授業を受けるだけでは十分ではありません。
語学学校にフルタイムで通っても、レッスン時間は週に20〜25時間が一般的です。
日本人が多い初級クラスから始める場合、初級脱出の目安と言われている「1000時間」を達成するまでには、約30週間(約7~8ヶ月)かかります。
語学学校のレベル分けにもよりますが、
初級3ヶ月
↓
中下級3ヶ月
↓
中級1~2ヶ月
という道のりを経て、やっと英語だけでの生活に困らなくなるのです。
2.初級〜中下級クラスには日本人が多い
語学学校に通うだけでは英語が伸びない理由の一つに、初級~中級クラスには日本人生徒が多いという特徴があります。

そこで発生するデメリットが、授業以外の時間に日本語を話してしまう可能性です。
3.レッスンを受けただけで英語を勉強した気になっている
海外に行き語学学校に通うと、レッスンを受けただけで英語を勉強した気になるという、海外マジックにかかることがあります。
もちろん、ちゃんと授業に出席していれば、英語が全く伸びないということはありません。
また、語学学校には友達作りのために通う場合、英語力の向上は求めないこともありますし、どちらかと言うと「英語に慣れる」という言い方がしっくりきます。
ですが、語学学校に英語力向上を目的として行くなら話は別です。
日本人の中にも、比較的英語の伸びが早い人がいますが、差がつくポイントは、
- 授業内容の復習
- 授業で学んだことを実生活で活かす
といった、レッスン時間外でどのように英語と向き合うか?が鍵となります。
4.ある程度英語で生活できると満足する
- スーパーで買い物ができる
- 公共交通機関を利用できる
- レストランで注文できる
海外に住んでいても、ある程度英語で生活出来るようになると困ることが少なくなります。
生活費を稼ぐために仕事をしなければいけなくても、「日本食レストラン」という日本語だけで仕事ができる素晴らしい環境も用意されており、そこで満足してしまうと英語の伸びは停滞するのです。
5.同じフレーズ、構文、単語を使っている
英語が伸びない人の特徴として、いつも同じフレーズ・構文・単語を使っているケースがあります。
海外の日常生活でよく使う単語は基本的に決まっているので、言い回しさえ覚えてしまえばOK。
日常英会話はテストや試験ではないため、難しい構文を覚えたり会話の中で様々な表現を駆使する必要はありません。
仕事においても同じで、ある程度仕事に必要な語彙・言い回し・専門用語を覚えてしまえば、それ以上の英語力を身に付けるかは本人次第となります。
6.間違っても相手に伝わればOKだと思っている
海外で英語を使って生活しているのは、英語ネイティブだけではありません。
多くの人が、間違いながらも英語で会話していますし、クセや訛りが強い発音でも「英語は英語」です。
英語を身に付けるために「たくさん間違えること」は、超絶重要なマインド!
ですが、間違った英語表現を正しく使えるようになろう!と意識しなければ、それ以上英語を伸ばすことは難しくなります。
ある一定のレベルに達したら、間違っても相手に伝われば OK という解釈を封印する必要があるのです。
7.一定のレベルを超えると覚える領域が一気に広がり愕然とする
全く英語ができなかった初級から中級になる頃の期間は、
- 英語で外国人とコミュニケーションが取れる自分に感動する
- 使える表現が増えていくことを実感できる
など、成長を感じる場面が多くあり、英語学習が一番楽しい時期かもしれません。
ですが、さらにそれ以上のレベルを目指そうと思った時、覚えるべき領域(語彙・構文・表現・フレーズ)が一気に広がる時を迎えます。
それまでも一生懸命勉強してきたけれど、途端に英語の伸びを感じなくなったり、歩みが遅くなったように感じるのです。
英語を学べば学ぶほど、果てしなく続く英語学習の大変さに気付き始め愕然とするのです。

8.英語力以前に日本語力が低い
英語力がある程度ついてくると、英単語の意味を英語で説明されても理解できない状況に遭遇することが増えてきます。
理解を深めるため、日本語で英単語の意味を調べでも、日本語ですら意味が分からないことがある!

また、英語で授業をすると意見を求められることがありますが、そもそも日本語でも言葉を知らないという根本的な問題が顕著になってくるのです。
9.英語学習の先に目標がない
- 海外で日常生活が送れるようになる
- ローカルジョブを手に入れる
- 現地法人のオフィスワークに従事する
ある程度、英語を使うことに不自由しなくなると、英語学習に対するモチベーションが落ちます。
それから先の目標がないと、一定のレベルで英語力の伸びが止まり、継続が難しくなるのです。
また、英語力を維持するための英語学習は、目標に向かって英語を勉強することよりも難しいと感じます。
海外留学/ワーホリで英語を伸ばすためにやること
海外留学やワーホリで英語を伸ばすために、語学学校の授業以外でやるべきことを紹介します。
- 自己学習
- 外国人やローカルの友達を作る
- テレビやラジオから英語で情報収集をする
- 表現はカテゴリーごとに覚える
1.自己学習
英語を伸ばすためには英語の授業を受けただけでは足りないと言いましたが、他に必要なのは自己学習です。

新しく目にした単語は14回使わなければ定着しないとケンブリッジコースの先生に聞いたことがありますが、1日の新出単語が最低20〜30単語ぐらいは出る中、自己学習をしなければ追い付かない…。
やってもなかなか覚えられないという現実もありますが、やらなければ止まるです。
2.外国人やローカル(現地)の友達を作る
外国人やローカルの友達を作ることは、英語力を伸ばすための定番中の定番の方法ですが、実際できない人がたくさんいます。
語学学校に通っていても、クラスメイトに日本人が多いうちは、なかなか外国人の友達の数が増えない時期もあります。
ローカル(現地)の人は、英語が話せない外国人を相手にしないので、友達作りがもっと難しくなる…。
でも、様々なコミュニティに顔を出していれば、少しずつ日本人以外の友達の輪が広がっていくのです。
3.テレビやラジオから英語で情報収集をする
海外に着いたら、地元のテレビ番組を見て情報収集をしてみましょう。
もちろん時事ニュースや政治経済などは難しいトピックなので、無理しなくてOK。
私が実際に聞いてみて練習になると思ったものは、
- 今日の天気予報
- 料理番組の解説
- 海にサメやワニが出た話題
といった、身近で自分の生活に根付いた情報です。
必要な情報なのでアンテナを張りやすいと思います。
また、英語のレシピを見ながら料理を作ると、細かな動詞の表現を増やすことができます。

また、到着したばかりの頃はテレビ番組やニュース番組を見ていても何を言っているのか理解できませんが、2~3ヶ月ぐらい経った頃から、授業で習った単語がニュースの中に出てきていることが分かるようになってきます。
その時初めて、語学学校の勉強が実生活に結びついた実感を得るのです。
4.表現はカテゴリーごとに覚える
語彙力を増やしたい時にやりやすい方法は、カテゴリーごとにまとめて単語を覚えることです。
例えば、感情を表す形容詞は、下記のような感じでまとまっていると便利!
これと同じ方法で、
- 内面を褒める表現(我慢強い・有能・きちんとしている など…)
- 外見を褒める表面(キレイ・ラブリー・スタイリッシュ など…)
- 野菜やお肉の切り方(チョップ、スライス、ダイス など…)
と分けて覚えていくと、楽しみながら語彙を増やせます!
海外で英語を伸ばすために気をつけること
海外で日本語環境から離れ、どっぷり英語漬けの日々を送るときに気をつけることが、猛勉強をして鬱になりそうになったら少し縛りを緩めることです。

目標を達成するためには集中的に猛勉強する時期も必要ですが、一番大事なのは英語の勉強を継続させることです。
- プツンといきそうなら一歩手前で英語と距離を置く
- 日本人の友達と日本語で思いっきり過ごす
「日本人は日本人同士でつるむ」と言われがちですが、日本人の友達と時間を過ごすことに罪悪感を感じなくても大丈夫!適度な息抜きなら逆にプラスに働きますよ!
【まとめ】最初はノリも大事!でも「英語」で話すことは別
- 海外に行けば英語は伸びる
- 現地に行ってしまえば何とかなる
というマインドは、新しいことに飛び込むきっかけになるため、必ずしも悪いことではありません。
実際、英語ができなくてもローカルジョブを見つけた人や、ローカルファームで多国籍な人たちの中で働いている人もいます。
そういった人たちは、
- 英語ができなくてもローカルに飛び込んでいける度胸
- ネイティブの会話の中から英語を拾って身に付ける頭脳
- 言葉が通じなくても折れない精神力
- 最初は「ノリ」で話しかけるテンション
- 間違えても気にしない図太さ
を持っていますし、たとえ持っていなかったとしても、海外の荒波に揉まれて少しずつ育てていくことも不可能ではありません。
でも忘れていはいけないことは、「ノリ」で話すことと「英語」で話すことは別物。
英語力を伸ばすなら、「ノリ」からの脱却も必要不可欠です。