海外に出ることは高いハードルのように感じますが、ワーキングホリデーは海外で1年間旅も仕事も勉強もできるビザ!夢のような話でワクワクします。
でも実際は、楽しくなかったと感じる人がいるのも現実。全てが思うように行かないのが海外です。
私はオーストラリア・カナダ・ニュージーランドのワーキングホリデーを経験しました。
どの国もそれぞれ良さがあって全てが学びでしたが、カナダワーホリの最初の半年はお金稼げなくて苦労も挫折もして全然楽しくなかった!
それでも行ってよかったと心から思うのには理由があります。
そこでこのページでは
- ワーホリが楽しくなかった理由(実体験あり)
- ワーホリで挫折&苦労しても行ってよかった理由(経験談)
についてお話しします。
この記事を書く私の経歴は、
- オーストラリアの語学学校で営業&マーケティング(日本人カウンセラー)
- カナダの語学学校で日本語教師
- ニュージーランドのリラクゼーションスパで受付
と、3ヶ国の現地法人で働いてワーホリビザを使い倒しました!
【実体験】ワーホリが楽しくなかった理由
それではまず、ワーホリが楽しくないと感じる理由を、カナダワーホリの最初の半年が楽しくなかった実体験を元にお話しします。
- ホームシックになった
- 英語が思い通りに伸びない
- ワーホリ中仕事が見つからない
- ワーホリ資金が口座から減っていく不安
- 理不尽な理由で仕事を失う
- 仕事が見つかってもお金が稼げない
- やりたくない仕事をしている
- チャレンジしてない or 力を出し切れてない
- 理想が高い or 完璧主義で求めるものが多い
- 困難が一気に降ってきた
- いつも天気が悪い
1.ホームシックになった
ワーホリで海外に到着してすぐの頃は、特にホームシックにかかりやすい傾向があります。
ホームシックの原因と言われるものには、以下のようなものがあります。
- 時差ボケがなかなか治らない
- 環境の違いに馴染めない
- ホームステイ先が合わない
- 英語が通じないストレス
- 日本と比べてしまう
- その他…
ホームシックがすぐに治る人もいれば数ヶ月続く人もいたり、滞在期間が終わるまで治らない場合もあります。
ホームシックでつらいうちは、心の底から楽しめなかったのを覚えています。
2.英語が思い通りに伸びない
ワーホリが楽しくない理由の一つに、英語が話せないというのがあります。
英語が話せないと、自分が伝えたいことを伝えらず、ストレスがかかります。
それだけではなく、英語が思い通りに伸びないことも楽しくない原因の一つ。
英語の勉強をはじめたばかりの頃は、全く何もできなかったところからすぐにコミュニケーションが取れるようになって、結果がすぐに目に見えます。
でも一定のレベルに達するとカバーしなければいけない範囲が広くなり、覚える単語やフレーズも多くなるため、英語の伸びを感じなくなるのです。
3.ワーホリ中仕事が見つからない
ワーホリ中の仕事探しは簡単ではありません。
仕事が見つからない悩みは多くの人が抱えるもので、学歴があったり大企業経験者も例外ではありません。
仕事が見つからない期間が続くと、
- 求人を探す労力と時間
- 履歴書を応募先に合わせて何度も作り直す労力
- 履歴書を配る労力
- ビザの残存期間
といった時間と労力が奪われていき、諦めたい気分にさえなります。
1日中パソコンの画面に向かっている上に結果が得られないと、気が滅入ってくるのです。
4.ワーホリ資金が口座から減っていく不安
仕事が見つからない期間は、日本で貯めたワーホリ資金(貯金)を切り崩しながら生活費に充てます。
応募先企業からは書類選考の返事がなく、履歴書を配った会社からも連絡がない…。
先が見えない中で、お金が口座から減っていく不安が付きまとうのです。
お金の不安があると、頭で色々考えて行動できなくなったり、思い切った決断ができなくなります。
5.やりたくない仕事をしている
ワーホリでは、限られた時間と資金の中で今の自分にできる仕事を選びます。
お金がなくなると、どこかで妥協したり手を打たないといけない、それが現実です。
時には、生活費のためにやりたくない仕事をすることがあります。
その感覚は、日本で生活している時と変わりません。
6.理不尽な理由で仕事を失う
海外でも、理不尽な理由で仕事を失うことがあります。
オーナーがローカルか?日系か?チャイニーズ系か?といった国籍は関係ありません。
ビザを出す代わりの交換条件を出してきて、嫌なら手放す以外方法がないことも…。
その他、以下のような理由もあります。
- オーナーや上司によるセクハラ
- 日本人のお局様による職場いじめ
- 職場内でのあからさまな人種差別
- 同僚が陥れてくる
- アジア人は評価されない
日本で起こりうることは海外でも起こる可能性がありますし、海外ならではの理不尽さを経験することもあるのです。
言葉で表すと「不運」としか言いようがありません。
7.仕事が見つかってもお金が稼げない
仕事が見つかったとしてもお金が稼げないケースはよくあります。
現地の労働者も、本業だけで生活が成り立つ人ばかりではありません。
その原因は、
- チップがもらえるサービス業じゃない
- 時給はいいけどレッスン時間が限られている
- 準備の時間は給料が発生しない
海外で日本語を教える仕事は、やりたくてもできない人がいる仕事です。
経験のために無給のボランティアでも日本語教師をやりたい人はいつの時代もいるため、高い給料を支払うほどの需要はありません。
お金を稼ぎたいなら、
- 人がやりたがらない重労働
- 特殊なスキルが求められる仕事
- チップがもらえる仕事
- 料金が高いレストランや高級レストランでの接客
- 時給がいいローカルジョブ
- ダブルペイが叶う土日のシフトに入れる仕事
という基準で仕事を探すといいでしょう。
8.チャレンジしてない or 力を出し切れていない
ワーホリが楽しくなかった人は、不完全燃焼の可能性があります。
- ケガや体調不良・病気が理由で本調子じゃない
- 環境が合わなくて気力が上がらない
- 心から楽しんでいない
理由は様々ですが、海外で力を出し切れる状態を保つことは簡単ではありません。
また、自己の能力よりもちょっとだけ難しい事にチャレンジしていない(機会がなくてチャレンジできていない)可能性も考えられますね。
9.理想が高い or 完璧主義で求めるものが多い
私のカナダワーホリの最初の半年が楽しくなかった理由の一つに、理想が高すぎたと反省する点がありました。
- 現地法人の仕事
- お金を稼ぐこと
- 条件のいい多国籍な家に住むこと
- 英語を飛躍的に伸ばすこと
最終的には永住権!と考えていましたが、今思うと完璧主義で求めるものが多い窮屈なワーホリです。
10.困難が一気に降ってきた
ワーホリでは、困難やハプニングが次々と降ってきます。
- 住んでいる家がなくなる
- 理不尽な理由で仕事を失う
- 恋愛が苦しい
- 資格試験合格のため毎日夜中まで勉強
- お金が稼げない
- ワーホリ資金が無くなりそう
問題は一つ一つ片付けていけばOK!と言えたら理想的ですが、困難が一気にドーンと降ってくるとキャパオーバーになります。
禍中にいるうちは、楽しいと感じられる状態ではありません。
11.いつも天気が悪い
生きていく上で、太陽光(日光)は必要不可欠。雨が多い地域では、うつ病やうつ状態になる人の割合が多い傾向があると聞きます。
日光に含まれる紫外線はビタミンDの生成に関わり、免疫機能を調整する働きに影響を及ぼします。
気分的なところで言うと、雨ばかりの日が続くと気が滅入りますね。
気圧の変化で頭痛になったり、体調にも影響するのです。
逆に、天気が良くてカラッとしていれば、日々のちょっとしたことも楽しめるし、気持ちも良くなります。
- 洗濯物がよく乾く
- 公園の散歩が気持ちいい
- 外でBBQができる
- バルコニーでビールやワインが飲める
- バイキングやスポーツにも最適
雨の多い地域にワーホリに行くのなら、なるべく天気がいい時期に滞在をスタートさせることをおすすめします。
ワーホリで挫折&苦労しても行ってよかった理由
ワーキングホリデーはつらいこともありますが、実は、「ワーホリに行ってよかった」と思う人の方が大多数。
ここではその理由をお話しします。
- 日本とは違う経験ができた
- 仲間の大切さや人との結びつきが感じられた
- 新しい世界を見て視野が広がった
- 困難を乗り切った&全部やりきった達成感
- 自分らしくいれる・自分を偽らなくていい
- 嫌なことはやめる勇気が持てるようになった
- 直感力が鍛えられた
- 後になって成長を感じられた
- 苦労が後で役に立った
- 自分を信じられるようになった
1.日本ではできない経験ができた
ワーホリで海外に行くと、確実に日本と違う経験ができます。
わかりやすい例で言うと、以下の通りです。
- 大自然の中でファームジョブ
- 車を借りて友達とロードトリップ
- いろんな街に移り住む
- 多国籍な環境で働く
東京や大阪などの都会出身の人なら自然の中でのファームジョブを選ぶ人も多いですし、日本でも田舎出身の人なら人種がミックスされた都市部の多国籍な環境を好むかもしれません。
日本ではできない経験・日本とは違う環境が海外にはあります。
2.仲間の大切さや人との結びつきが感じられた
言葉が通じない国で1年間生活をすると、トラブルや困難が必ず襲ってきて、苦しい時期を経験します。
そんな時、
- 話を聞いてくれる仲間
- 同じ境遇にいる仲間
- 同じ目標に向かっている仲間
- 何かを一緒に乗り越えた仲間
といった「仲間」の大切さが身に染みるほど感じます。
そのほかにも、
- 現地のことを教えてくれるホストファミリー
- 滞在期間が長いルームメイト
- よくしてくれるシェアハウスのオーナー
- 永住している職場の上司や同僚
こういった人たちの存在も重要です。
孤独の中にいる時、たった一言でも言葉を交わすだけでどれだけ救われるか!!!
日本では煩わしいものとされている人間関係が、海外に行くと尊いもののように感じます。
3.新しい世界を見て視野が広がった
海外で学べることは、言語だけではありません。
- 家庭の文化・生活環境
- 働き方やワークライフバランス
- 人間関係の境界線
- 諦めること・捨てること
- 国際恋愛 など…
良いことも悪いこともぜんぶ含めて、新しい世界を見ると視野が広がります。
4.困難を乗り切った or 全部やりきった達成感
ワーホリでお金がなくて苦しくても、辛い経験をしても、日本とは違う環境で1年間やりきった時の達成感は感慨深いものがあります。
現地でたくさん泣いたとしても、挑戦してやれることを全部やったなら、未練が残ることはありません。
5.自分らしくいれる・自分を偽らなくていい
海外生活は、日本で生活する以上の負荷がかかります。
「知らなかった」で済まされないことや、曖昧さが良しとされないことも多く、意見を言うことや怒りの感情を出すこと、考えを主張することも必要です。
日本では心を殺してやり過ごせば何とかなるものでも、海外ではそうはいかないこともあります。
仮面をかぶった偽りの自分で生きる方が非効率。いい意味で自分らしくいられるのです。
6.嫌なことはやめる勇気が持てるようになった
日本には「石の上にも三年」という言葉があります。
近年では転職することが当たり前になりましたが、一つの仕事を短期で辞めることに関しては、当事者本人がコンプレックスやネガティブな感情を持つ印象です。
我慢して、耐えて、辞めないことで学びを得たり成長するケースもありますが、
- 嫌なことを辞めて楽しい方に行ったらお金が回った
- 嫌な人が入るスペースがない環境で生きても問題なかった
という経験をしたら、嫌なことを辞めても大丈夫だと確信が持てるようになりました。
7.直感力が鍛えられた
海外での経験値が皆無な中で物事の選択をするときは、直感力を大いに発揮しなければなりません。
- まともそうな話だけどどこか辻褄が合わない
- この人の経歴は凄いけど上手くいっている匂いがしない
- 力量を求められる割に単価が安い気がする
- 評価されているようで言葉で丸め込まれている感覚
- 何かがおかしい
心に引っかかっていた「何か」が、1〜2ヶ月後に表面化する状況には何度も遭遇します。
そういった経験を繰り返すと、直感力が鍛えられた実感を得るのです。
8.後になって成長を感じられた
私が20代前半の頃は、「後になったら(年を取ったら)成長を感じられるよ」というアドバイスが嫌いでした。
- 時が経てばいい思い出になる
- 振り返るとやってよかったと思う
数字で成果が求められる世界で「心の成長」なんて目に見えないもの誰が評価するんだろう?
理不尽を耐え抜いたその後に得られるものは成長だけ?
そう思っていましたが、実際は違いました。
例えば、カナダワーホリ中に経験した日本語教師の仕事では、英語力が飛躍的に伸びたという成長と同時に、
- 理不尽な要求や理不尽な苦情には屈さない精神
- 要求が多い割にお金にならない仕事は金欠でも断る勇気を得たこと
- 対価が見合っていないなら交渉すべきと知ったこと
- 先輩からの嫌がらせは誰かが見ていてやり返してくれることがある
といった、自分の価値を低く見積もらないこと・身の守り方・頼れる人は頼っていいことを学びました。
環境を整えてパフォーマンスを上げお給料に反映させる、そのやり方にトライしている自分に気づいたとき、いつの間にか成長していたと感じたのです。
9.苦労が後で役に立った
「苦労はいつか役に立つ」は、「後になったら成長を感じられる」と同様、私が嫌いな言葉の一つでした。
でも「苦労はいつか役に立つ」の意味は、精神的な成長だけを意味するものではありません。
- 会社の法律違反なのに、労働者に負担を強いられた時の適切な対処法を知った
- 働くスタッフを無下にした時のしっぺ返しを見た
- この会社危ない!と思って逃げたら本当に潰れた
苦労が後で役に立ったと思えたのは、不利な状況から身を守れたときや、巻き込まれる前に逃げたときでした。
いいものよりも悪いものの方が多い世の中では、逃げるが勝ちの時がある!
それ以前に、「そもそも近寄らないスキル」「やらないスキル」「やめとくスキル」も賢く生きるスキルだと今では実感しています。
10.自分に自信が持てるようになった
- やりたいことを思いっきりやることでうまくいく人
- 2番目を選ぶ道が合っている人
- 周りに合わせている方が安心する人
- 直感的な人・論理的な人
人生の歩み方は人それぞれで、正解や成功法則はありません。
成功する方法があるなら、日本はこんなに貧しい国にはなっていないし、今頃成功者であふれています。
私は成功者ではありませんが、少なくとも自分に自信が持てるようになりました。
そのきっかけは、自分らしくないことをして大失敗した時です。
ワーホリで海外に行きたくさん失敗したり壁にぶつかると、自分なりの失敗パターンが見えてきて、経験が蓄積されると「ここは引いた方がいい」「そっちに行ってはいけない」が徐々にわかるようになります。
失敗する前に湧いてくる心のザワザワや、失敗する前によく起こる現象、失敗する前に出会う人の特性などを見極めて、過去に失敗したときの状況と照らし合わせる。
もちろん、100発100中で失敗を避けられるわけではありませんが、判断基準が明確になっていくのです。
いいことも悪いことも失敗も全部学び!
海外で、仕事も人脈も何もないところから生活を成り立たせる過程には、多かれ少なかれ「成長」があります。
- 新しいものを見て視野が広がる
- 国際感覚が身に付く
- 日本の常識は世界の非常識を体感する
- チャンスは人が運んでくると知る
こういったプラスの学びは、人生にとって良い影響を与えます。
それと同様に、苦境のなかで直感やサバイバル力を鍛えることも学びです。
- 言葉が通じない国でお金がない時に生き抜く術
- 理不尽な環境から抜け出す勇気
- 危ない人や怪しい仕事を嗅ぎ分ける嗅覚
いろんな場面にぶち当たり、経験値を増やしていく。良いことも悪いことも含めて全部が学びなのです。