ワーキングホリデーにはロクな仕事がない…。
ワーホリはアルバイトの仕事しか見つからない…。
ワーキングホリデー(以下 ワーホリ)は、「遊び」や「ホリデー」といったイメージが強いため、英語力を伸ばして現地法人で働く人は多くありません。
そのせいか、「ワーホリ」というだけでバカにされることもあります。
ワーホリに行く前には、「海外であなたに何ができるの?」と言われたり、「やめた方がいいんじゃない?」と言われたこともあります。
ですが、そんな私だからこそ言えることは、ビザの種類や学歴に関係なく、ワーホリでもちゃんとした仕事を見つけることは可能ということです。
近年は本気でキャリアアップを目指して、ワーホリでもオフィスワークをする人や2ヶ国~3ヶ国ワーホリする中で海外経験を積む人も増えてきました。
そこでこのページでは、海外でできるオフィスワーク・デスクワークと仕事の探し方を、私の体験談に基づいてお話しします。
目次
ワーホリでもできる海外オフィスワーク・デスクワークの種類
ワーホリでもできる海外のオフィスワーク・デスクワークには、以下のようなものがあります。
- 日系留学エージェントのカウンセラー
- 日系旅行会社のツアーオペレーター
- 日系企業のオフィスワーカー
- 美容・サロン系のフロントデスクやデスクワーク
- 現地語学学校のオフィスワーカー
- 情報誌の編集・アシスタント
- グラフィックデザイナー
- ITエンジニア・プログラマー
【体験談】海外ワーホリでオフィスワークを手に入れた方法
ここでは、ワーホリ中にオフィスワークを手に入れるまでの私の体験談を紹介します。
- 無給のインターンシップから始めた
- 無給インターンを甘く見ず手を抜かなかった
- インターン中は日本人の良さを前面に押し出した
- マーケターのポジションが空き上司から推薦された
- 【海外出張】ピンチの状況でも断らなかった
1.無給のインターンシップから始めた
私がオーストラリアの語学学校でオフィスワークができた最初のきっかけは、無給インターンシップでした。
海外でちゃんとした仕事をするならば、その国の現地企業での経験が必要です(日本でオフィスワーク経験があっても通用しないことがあります)。
その他にも、
- 帰国後の転職活動に有利になる職歴を海外で積むため
- 海外の現地企業での就労を証明するリファレンスレターをもらうため
- 正式にフルタイムで採用になる可能性があるため
といったメリットがあるため、無給でも現地企業のインターンシップをする人が一定数います。
海外の現地企業で無給インターンをする際、10万円程度の費用を払いエージェントを使って探してもらうケースがありますが、私が働いていた語学学校では「お金払ってインターン先を探してもらう時点でやる気ないから受け入れ依頼があっても断る」という方針でした。
現地企業のインターンを考えるなら、自力で探す方が費用を抑えられて経験にもなります。
2.無給インターンを甘く見ず手を抜かなかった
私が無給インターンの面接を受けた時、採用担当の上司からは、「無給インターンだからって甘く見ないでね!」と言われました。
海外の人からすると、日本人は時間をちゃんと守り仕事に対しても真面目に取り組むという印象があるようですが、実際のところ、過去に採用したインターンの中には、
- 頻繁に遅刻する
- 休みの連絡が遅かったり無断欠勤する
- 真面目に働かない
といった人もいたようです。
社会人になり、会社やチームの一員として働くうえで当たり前のことは、無給のインターンにも求められます。
私の上司は仕事に対して厳しい方(でも根は優しい方)だったので、
- 遅刻、無断欠勤は絶対ダメ
- 仕事の邪魔になるインターンなら無給でもいらない
と念を押されました。
ただし、海外では公共交通機関の遅れが頻繁に発生するので、実際に働き始めると「バスが来ない!」「電車が止まった!」という状況は日常茶飯事です。本当に公共交通機関による遅れなら許されますし、「それを見越して早く来る」といった日本的な要求はされません。
3.インターン中は日本人の良さを前面に押し出した
真面目に働かない人が多い海外では、普通に働いているだけなのに「君はよく働くね!」と気に入られて本採用されたり昇格する話をよく聞きます。
だから私も、日本人の良さを前面に押し出して普通に働きました。
特別なスキルがない無給インターンが大活躍することはできませんが、
- 時間を守る
- 真面目・従順
- よく働く
- その日の仕事が終わるまで帰らない
- 細かいところにまで気を配る
といったことに注意することはできます。
海外では残業すると「早く帰りなさい!」と言われるため、その日の仕事が終わらなくても(実際のところ)退勤することが可能です。
4.マーケターのポジションが空き上司から推薦された
海外で働くチャンスを得る時、「人」が推薦してくれたり、「人」が引っ張り上げてくれるなど、必ず「人」が関わります。
私の場合は、日本のマーケットを担当していた上司(マネージャー)が退職することになり、そのポジションを「やってみない?」と提案してくれ、社長と校長にも話を通してくれました。
当時の私は、マーケティングポジションを担当するだけの力量が100%あったわけではありません。
それでも、
- ワーホリでもやる気がある人にチャンスをあげたい
- 永住権を持っている人は他にいくらでも仕事がある
といった理由で、経験を積ませてくれたのです。
5.【海外出張】ピンチの状況でも断らなかった
私が海外の語学学校で日本担当のマーケター(日本人カウンセラー)を経験させてもらえたもう一つの大きな理由は、マネージャーがオーストラリアから日本への海外出張に行けなくなってしまったためです。
他に時間の調整がつく日本人スタッフがおらず、私に白羽の矢が立ったというピンチのようなチャンスのような状況でした。
仕事をしていると、「今すぐ人がほしい!誰かできる人いない?」という事態が起こることがあり、「即戦力としてすぐに業務に対応できる人」なら仕事が回って来るので、インターンでもアルバイトでもいいから現場に入っておくことは無駄ではありません。
海外ワーホリでオフィスワークを見つけるコツ
学歴・資格・スキルがない20代のワーホリが海外オフィスワークを見つけるためには、運やタイミングのほかにも必要なものがあります。
- 証明できる英語力を身に付ける
- 職務経験と関連しているポジションに応募する
- 履歴書とカバーレターをしっかり作り込む
- 熱意や情熱を伝える
- 「海外で働けるなら何でもいい」と考えない
- 時間がかかることを覚悟する
1.証明できる英語力を身に付ける
海外オフィスのインターンシップに応募する人は、英語ができる人ばかりです。
ネイティブレベルである必要はありませんが、社内・社外でやり取りができるだけの英語力が必要になります。
そして、海外ではTOEIC®のスコアは通用しません。
また、資格やスコアで英語力を証明できなくても、面接で現地の採用担当者と英語でやり取りできることも英語力の証明となります。
TOEIC®が「世界基準の英語のテスト」と言われているのは日本と韓国だけとなり、実際はIELTS・TOEFL・ケンブリッジといった英語の試験が主流です。そして、TOIECのスコアを履歴書に書くのは日系企業・日本国内の転職活動の話なので、海外の現地法人を受ける時は避けた方がいいでしょう。
2.職務経験と関連しているポジションに応募する
日本の新卒採用は未経験の人材を一括で採用するので、内定者の希望・特性・得手・不得手といった部分が考慮されず不透明な部分があります。
「配属ガチャ」で不向きな部署への配属になることも珍しくなく、「就職」ではなく「就社」という言葉が使われるほど、本質的な「就職」とは異なる部分があります。
一方で海外では、ポジションが空いたら新しい人材を募集することがほとんどで、職務経験がなければ仕事を見つけることが難しい環境です。
そのため、海外でオフィスワークをするためには、過去の職務経験と関連しているポジションに応募することがマストとなります。
実際、インターンの応募者の中には、大卒・優秀・元大手企業勤務や元商社勤務の人がいたようですが、
- 高い英語力があっても日本での営業経験がない
- 日本の大企業で働いていたけど所属していた部署が「総務」
- 永住権を持っているけど英語力が低いしブランクが長い
といった理由でマッチせず見送りになったようです。
海外では、日本で勤めていた会社のネームバリューよりも、経験が重要視されると覚えておきましょう。
3.履歴書とカバーレターをしっかり作り込む
海外で使う履歴書は日本の履歴書とは違い、A4サイズの紙に学歴・職歴・スキル・資格をまとめます。
希望の職種と応募するポジションに合わせてその都度書き換えるため、企業が何を求めているのかを見極めて履歴書に落とし込まなければいけません。
また、カバーレターでアピールすることは履歴書作成よりも重要となり、
- なぜ自分がそのポジションにふさわしいのか
- どんな風に貢献できるのか
といった文章を英語で作成し、しっかり作り込む必要があります。
そして、スペルミスは絶対にNGなので、ネイティブにチェックしてもらいましょう。
4.熱意や情熱を伝える
英語力・職務経験・作り込まれた履歴書はもちろん大事ですが、20代で経験が浅いうちは、熱意や情熱が採用・不採用の分かれ目となることがあります。
実際のところ、約30通の応募の中で、私と同じように熱意のある一文を書いた人は誰もいなかったようです。
履歴書で目を引く学歴・華やかな経験・高度な英語力を持っていて、自分よりも優れている人はいくらでもいますし、現地の永住権を持っている人の方が圧倒的に有利となります。
でも、お金をもらわない無給インターンでも、「どうしてもそれがやりたい!」という熱意を伝えることが採用の後押しとなることもあるのです。
5.「海外で働けるなら何でもいい」と考えないこと
語学学校の上司に採用理由を聞いた際、「海外で働けるなら何でもいい」と考えていない点がよかったと話してくれました。
面接を受けた時は、何もしていない期間が1.5ヶ月の頃だったので、面接では「なんで今働いてないの?仕事なんていくらでもあるよね?日本食レストランとか受けなかったの?」と質問されたのを覚えています。
その際私は生意気にも、
私は日本帰国後にレストランで働くキャリアを積んでいこうとは思っていないので、キャリア形成に繋がらない仕事を海外でするくらいなら、日本に帰国してちゃんと就職した方がいいと思っています。
と答えたのですが、逆にその考えが評価されました。
履歴書に何もしていない期間(ブランク)があることは、ネガティブな印象を与えることの方が多いですが、帰国後のことを考えて行動していることが伝わればプラスに評価されることもあるのです。
6.時間がかかることを覚悟する
ワーホリビザは、1年の期限がついています。
そのため、就職活動中に1~2ヶ月仕事が見つからない期間があると不安になりますが、フルタイムのオフィスワークや、日本に帰国しても職歴として活かせる仕事を見つけようと思ったら時間がかかることが前提です。
ワーホリで1ヶ月を無駄にすることは「長い」と感じる人もいますが、求人数が豊富で比較的簡単に見つけやすい日本食レストランやお土産屋さんのパートやアルバイト、人手が足りていない重労働のファームジョブとは仕事探しの難易度が違うので、焦ってはいけません。
海外でオフィスワークすると帰国後の就職でも役に立つ
ワーホリでも海外でオフィスワークの経験を積むと、帰国後の就職に役立ちます。
- 英文メールの書き方
- 英語での電話の取り方
- 商品案内・提案(セールススキル)
- 傾聴力(ヒアリングスキル)
- 社内・社外との調整(マネジメント)
といった基本スキルはどこの会社に就職しても使えるので、実践力が身に付くでしょう。
また、現地のオフィスワークを得るための就職活動の中で、履歴書やカバーレターを会社やポジションに合わせて何度も書き換えたり、面接の場数を踏むと、
- 日本帰国後の転職活動で書類選考が通りやすくなる
- 採用の確率が上がる
- 自分に合う会社がわかるようになってくる
など、手ごたえを感じるようになってきます。
本気でやるなら日本での準備がカギになる
海外の現地法人でオフィスワークを見つけることは、簡単ではありません。
実際に私の周りでワーホリのオフィスワークを経験した人は、
- 海外にある日系企業のオフィスワークからスタートした
- 東南アジアで現地就職を経験した
- 2ヶ国目でやっとオフィスワークができるようになった
- 語学留学で英語力を上げてからワーホリビザに切り替えた
など、どこかの時点でガツッとスキルを伸ばしたり経験を積んでいます。
もし、初めてのワーホリでオフィスワークをするならば、
- 日本での情報収集
- 日本で英語力の強化
- 日本で就職活動の準備
といった前準備を行うことが前提であり、それがチャンスを掴むカギになるのです。