留学やワーホリで語学学校に通う人は、現地到着後にホームステイをするケースがほとんどです。
言葉も通じない、他国の文化にも慣れていない戸惑いの中での最初のステップ。
そのためか、私が語学学校の日本人カウンセラーとして働くなかで最も多かった生徒からの相談内容は、ホームステイ先での不満やトラブルでした。
ですが、実際に対応してみてわかったことは、最初から中~長期間のホームステイ申し込みすることでトラブル時に負荷をかけているということです。
そこでこのページでは、
- ホームステイに申し込む前に知っておくべき注意点
- ホームステイで気を付けること
についてシェアしたいと思います。
ホームステイ期間の平均
私が働いていた語学学校の留学生やワーホリメーカーが申し込みするホームステイ期間は、2~3ヶ月が平均でした。
「2~3ヶ月」と数字だけで見ると長くないように感じますが、不満やトラブルでホームステイが嫌になると話は別です。
ホームステイの不満は、到着後すぐ~1週間程度で浮き彫りになります。
最初に表面化される問題は、
- シャワーが3~5分と厳しい
- ヘアドライヤーが禁止されている
- 食事が少ない・足りない
といった生活の中での困りごと。
冬の寒い時期にホームステイでの滞在をする場合、
- 髪の毛を乾かせずに風邪をひく
- ちゃんとした食事を摂れないことで栄養バランスが偏る
- 免疫力が下がり体調を崩す
など、日常生活に支障をきたす可能性もあるのです。
ホームステイの失敗を避ける注意点
続いて、ホームステイの失敗を避けたり、ホームステイトラブルになった際の負担を少なくするための注意点を紹介します。
- 【前提】留学生はお客様じゃない
- ホームステイには当たりハズレがある
- ホームステイを申し込むときは「短期で様子見」が安全
- ホームステイのリクエストは上手く活用する
- ホストファミリーが合わない時は即伝える
- 無理にホームステイを選ばなくてもいい
- ホームステイをゴリ押しされたら他の留学エージェントも検討する
1.留学生はお客様じゃない
ホームステイは、留学生などが、その国一般家庭と寄宿し生活体験をすることである。または、その制度。受け入れる家庭のことをホスト、その家族をホストファミリーと呼ぶ。
引用元:ウィキペディア https://ja.wikipedia.org
これは、ホームステイの定義とされていることです。
ホームステイは「体験」「経験」なので、ホストファミリーにとって留学生は「お客様」ではありません。
また、「ホストファミリーは家族の一員として留学生を迎え入れる」という話も聞いたことはありますが、実際「家族の一員」でもないです。
ホストファザー・マザーのことは「Dad」「Mam」と呼ばず、それぞれの名前で呼びます。
そして、留学生のほとんどは成人している年齢なので、身の回りのお世話をしてくれるわけでもありません。
「面倒を見てもらう」
「お金を払っているんだから、お客様として滞在する」
という意識を捨てなければ、「こんなはずじゃなかった結果」となる可能性もあるのです。
2.ホームステイには当たりハズレがある
ホームステイには「当たり」「ハズレ」がありますが、その本質は、相性のいいホームステイ先に当たるか?ハズレるか?という「相性」の問題です。
また、「評価がいいホストファミリー=自分に合うホストファミリー」が成り立たないことも前提となります。
留学生がホームステイでの滞在を終えると、ホストファミリーのフィードバックをしますが、面白いことの一つは
- どの国籍の生徒からもフィードバックがいい+Aファミリー
- 特定の国籍や人種からのフィードバックがいいファミリー
と、評価をする人によって結果が変わることです。
また、お金持ちや経済的に裕福なホストファミリーは、比較的質が高い傾向がありますが、留学生全員に合うホストファミリーではありません。
3.ホームステイを申し込むときは「短期で様子見」が安全
ホームステイ期間の平均は2~3ヶ月ですが、実際申し込むときは、まずは3~4週間の短期で申し込みをして様子見をする方が安全です。
理由は3つあります。
- 元々3~4週間ならホームステイ先が嫌でもそのまま契約期間満了できる
- 3~4週間の申し込みでも希望すれば滞在の延長可能
- シェアハウス探しは現地到着2週目からでも遅くないし定番
ホームステイ先に対して不満が出ても、ホストファミリー変更やホームステイ自体をキャンセルする選択肢もありますが、
- ホームステイ変更を希望から引っ越しまで最低2週間かかる
- ホストファミリーに「変更」の連絡が行った後気まずくなることがある
- ホームステイ規約によってはキャンセルしても全額返金されないことがある
といったデメリットや精神的負担がのしかかります。
お金を支払って我慢するくらいなら、その時間とお金を「他の経験」に充てた方が有意義です。
4.ホームステイのリクエストは上手く活用する
ホームステイを申し込むとき、アレルギーや喫煙の有無といったチェック項目以外で、「特別なリクエストはありますか?」という質問があります。
ですがこのリクエストには「100%保証されません」という注意事項があり、要望や希望が保証されない代表例としては
- 子どもがいない家庭
- 両親が揃っている家庭(シングルマザーじゃない家庭)
- 他の留学生を受け入れていない家庭
というものがあります。
そこで私は、「それは保証できません」と言わせないため「家の中で英語を話さない家庭は避けたい」と希望したところ、どの国籍の生徒からも評価が高い+Aホストファミリーを引きました!
5.ホストファミリーが合わない時は即伝える
「ホストファミリーと合わない!」と思った時、友達に相談して精神の安定を図ることは大事ですが、それに加えてすぐにホームステイの担当者か日本人カウンセラーに伝えることをおすすめします。
理由は以下の2つです。
- 何も伝えないまま関係がこじれた時に適切なフォローができなくなる
- 留学生が我慢している間にホストファミリーから学校に連絡が入る
6.無理にホームステイを選ばなくてもいい
ホームステイは留学やワーホリをする中での「一つの経験」「一つの選択肢」ですが、必ず選ばないといけないわけではありません。
だからこそ語学学校も、学生寮を運営する会社と提携しています。
ホームステイを経験しなかったとしても、それ以外のアコモデーションに滞在した経験ができるので、一般的な日本人留学生・ワーホリとは一味違った経験が可能です。
ホームステイや学生寮以外の滞在方法としては、以下のものがあります。
- バックパッカーズホテル(略してバッパー)
- カウチサーフィン
- Airbnb(エアビーアンドビー、略してエアビー)
初めての海外留学・ワーホリだと、
- すべて自分で英語で手配しなければいけない
- 問題が起こっても自分で対処しなければいけない
- 旅人が集まるアコモデーションによっては落ち着かない
- カオスな異文化に触れると衝撃が強すぎる
といったデメリットもありますし、ホームステイや学生寮よりも難易度が上がりますが、興味本位で調べるのはタダなので、下記の記事を参考にしてみてください。
7.ホームステイをゴリ押しされたら他の留学エージェントに問い合わせてみる
留学エージェントの中には、ホームステイをゴリ押しする業者も存在します。
留学生が自分で手配したアコモデーションでトラブルや問題が発生し、担当者が相談やサポート・ケアに追われるより、新規の留学生獲得に注力したいからです。
ホームステイでトラブルがあれば、語学学校やホームステイ斡旋業者が対応に入るので、留学エージェントにとってはそちらの方が安心。
そのため、「ホームステイをしないならサポートできない」と言い出す、現地サポート費用が有料のエージェントも存在します。
ですが、現地サポート費用が無料でも、ホームステイにするか?学生寮にするか?を選ばせてくれる留学エージェントも多くあります。
選択肢を与えてもらえず、ホームステイをゴリ押しされるなら、他の留学エージェントに問い合わせてみることも一つの手段です。
ホームステイでのアドバイス・気を付けること
ホームステイに滞在するときに気を付けることやアドバイスは以下になります。
- 英語ができなくても自分から積極的に話しかける
- わかったフリをしない!わからなかったら聞く!
- 最低限ルールは守る
- 部屋にこもるときもコミュニケーション
1.英語ができなくても自分から積極的に話しかける
ホームステイでの滞在が始まったら、英語がわからなくても自分から積極的に話しかけることが大切です。
ホームステイの登録基準をクリアしていて、留学生を受け入れ慣れているホストファミリーならば、留学生が英語が上手ではないことを理解してくれます。
英語は間違えただけも上達しますし、コミュニケーションをとればとるほどホストファミリーとの距離が近づくのです。
2.わかったフリをしない!わからなかったら聞く!
ファミリーの英語がわからなかったとしても、わかったふりをしなくて大丈夫です。
むしろ、「私がちゃんと理解しているか確認してもらえる?」とお願いし、ホストファミリーが言ったことを繰り返してみることも英語上達の一歩になります。
わからないままにせず、わからなかったら遠慮せずに聞くクセを付けるといいですね!
3.最低限ルールは守る
ホームステイ先での滞在中は、最低限ルールは守る必要があります。
時々、厳しいルールもあるでしょう。
そこで確認したいのは、
- お湯を出しぱなしにする時間が3分なのか?
- シャワールームの使用時間が3分なのか?
という細かい点。
もし、お湯を出すしっぱなしにする時間が3分の場合、全身泡で洗ってから一気に洗い流すという手段でシャワーを済ませることができるかもしれません。
初めてのホームステイで、シャワーの使い方の細かな確認を英語でするのはちょっと難しいかもしれませんが、やはり練習です。
4.部屋にこもるときもコミュニケーション
ホームステイ滞在中、ホストファミリーとのコミュニケーションが億劫だったり、ホストファミリーと相性が良くなくて、部屋にこもることもあるかと思います。
「今日はダラダラしたい気分なの」
「I feel like being lazy today.」
「今日は部屋にこもりたい気分なの」
「I feel like shutting myself in my room today.」
日々の生活で忙しいホストマザーは
「とても良いアイデアね!」
「そんな日も必要よ」
と言ってくれることもあります。
黙って部屋にこもらず、「部屋にこもります!」と宣言してコミュニケーションを図るのです。
もっと楽しい経験はホームステイの外にある
私はワーキングホリデーを3回経験し、その中でホームステイを2回経験しました。
ホームステイは、留学やワーホリの中での一つの選択肢ではありますが、ホームステイ自体がメインではありません。
実際のところ、もっと楽しいことや留学やワーホリの本質はホームステイの外にあります。
- 語学学校で英語の勉強頑張って資格を取る
- カレッジや大学に進学してさらに磨きをかける
- 英語力を伸ばしてローカルジョブに飛び込む
- 現地法人やオフィスワークに挑戦する
- 大自然の中でファームジョブをする
全体を通しみると、いい意味でも悪い意味でも、ホームステイよりも心に残る経験がたくさんできると思います。
ホームステイは、やってもやらなくてもどちらでもいい。
良い経験になったらそれ以上に良い経験がもっとできますし、悪い経験だったとしても他にいい経験をするとこでプラマイプラスになることもあるのです。