留学エージェントを通してホームステイに申し込むと、留学エージェントが独自で提携している、日系のホームステイ手配専門会社をおすすめされることがあります。
でも、語学学校提携のホームステイと比較して、何がどう違うのかイマイチよくわからない…
私自身、語学学校提携ホームステイも、日系のホームステイ手配専門会社を利用したホームステイも、両方経験していますが、正直なところ「結局は運だから料金が安い方を選べばいい」という感想でした。
というわけでこのページでは、私が実際に滞在したホームステイ先を例に、「語学学校提携のホームステイvsホームステイ手配業者」を比較して違いを説明しようと思います。
目次
どっちがいい?語学学校提携ホームステイvsホームステイ手配業者【結論】
先ほども言いましたが、「語学学校提携ホームステイとホームステイ手配専門業者(以下、専門業者)、どっちがいいの?」と聞かれたら、私はその質問に「料金が安い方を選びましょう!」と答えます。
もちろん、語学学校と手配業者のホストファミリー登録基準には違いがあると思いますが、私が「料金が安い方でいい!」という理由は、「登録されているホストファミリーは皆人間で、結局は生徒との相性による」という至ってシンプルな理由からです。
料金が安い方に質の悪いホストファミリーばかりが集まり、料金が高い方に質の良いホストファミリーばかりが集まるわけではありません。
ホームステイの滞在費用/サービス/管理水準の違い
それでは次に、ホームステイ専門業者と語学学校提携ホームステイの滞在費用/サービス/管理水準の違いをお話しします。
ホームステイ手配専門会社とは?
ホームステイ手配専門業者とは、ホームステイ先の斡旋のみに特化し、厳選されたホストファミリーのみ紹介している会社です。
- 住環境(家や部屋などの設備)
- ホームステイ先の立地
- ホストファミリーが英語環境か?
などの基準をクリアしたホストファミリーのみが登録できます。
ホストファミリーが英語環境か?についての基準は専門業者によって異なりますが、以下のような例が挙げられます。
- 英語でコミュニケーションを取ることができればホストファミリー登録ができる(移民家庭でもOK)
- ホストファミリー夫婦のどちらかの第一言語が英語なら登録できる
- 夫婦のどちらかが現地(地元)で育っているならホストファミリー登録ができる
留学生が現地入りした後、空港からファミリー宅への送迎は専門業者が行うので、登録しているホストファミリーとも継続して顔を合わせることになります。
ホストファミリーとして登録完了後も、送迎の際に顔を合わせれば、定期的にコミュニケーションを取ることになるので、ホストファミリーの水準は高く保たれる(傾向にある)という点が安心です。
専門業者によるホームステイは、しっかりとした管理が売りで、語学学校のホームステイ料金よりも割高に設定されています。
例えば、語学学校提携ホームステイの手配料金は$150~$200が相場ですが、私が利用した専門業者のホームステイ手配料金は52,500円(日系のホームステイ手配業者なので日本円でのチャージです)。
ホームステイの滞在費用は、語学学校提携ホームステイの場合$220~$250/週が相場ですが、専門業者のホームステイ滞在費用は$265/週と高めに設定されています。
語学学校提携ホームステイとは
語学学校提携ホームステイは、留学生の受け入れを希望するファミリーが語学学校に連絡をし、ホームステイ担当者がホストファミリー登録希望者宅を訪問します。
その際にホームステイ登録基準が満たされているかを確認→面談をクリアした後に、晴れてホストファミリーとして登録となります。
ですが、専門業者のホームステイとは違い、最初の訪問で登録基準をクリアしてしまえば、その後定期的なチェックを受けることはほとんどありません。
新しい留学生が現地入りしたときの空港送迎は、語学学校が提携する外部の送迎会社に委託しているからという理由です。
そのため、ホームステイ担当者とホストファミリーは電話でのやりとりがメインとなり(大きなトラブルや生徒の事故などの理由で語学学校に来てくれることもある)、受け入れをお願いした生徒からの滞在終了後のフィードバックが評価の鍵となります。
そのため、最初の訪問・面談以降、水準が高く保たれているかどうかはホストファミリー次第です。
一般的なホストファミリーの居住エリア
ホームステイで留学生を受け入れている家庭のほとんどは、公共交通機関を利用して、語学学校まで30~60分の郊外に住んでいます。
留学する都市の規模によっては、シティ(ダウンタウン)中心部のホームステイもあるかもしれませんが、中心部に住んでいるということは、高い家賃を支払わなければいけません。
そうなると、郊外に住んでいるホストファミリーに比べて、ホストマザーもファザーも共働きで忙しくなるため、「留学生に構っている暇がない!というケースがほとんど」と知り合いの留学エージェントさんから聞いたことがあります。
【実体験】オーストラリア/シドニーのホームステイ(専門業者利用)
それでは、実際にオーストラリア・シドニーで利用した専門業者のホームステイの実体験を紹介します。
ホームステイ先のおうち/料金/食事/
- 物件:一戸建て平屋4LDK(プール付き)
- 期間:4週間
- 手配料金:52,500円(空港送迎込)
- 滞在料金:$265/週
- 含まれるもの:平日→朝・夕食(ランチは自分で買う)、土日3食、水・光熱費、洗濯週1回
- 滞在エリア:ゾーン2
- 通学時間:語学学校まで55分
私がオーストラリアでお世話になったホストファミリーは、ホームステイ専門業者が提携しているファミリーの中でも「評判がいい」と説明された家庭です。
「手配料金5万円も払ったので、当たりじゃなきゃ困る!」というのが正直な感想ですが、16歳の娘ちゃんと相性が悪かったので、完全に快適とは言えません。
それでも、同じ専門業者を利用してホームステイをした友人は、シャワーの後に浴室の水滴を全部拭きとらなければいけないという厳しいハウスルールがあった家庭に滞在していたので、私はまだラッキーな方だと実感していますし、滞在自体は満足です。
ですが、同じ語学学校に通っていた友人のホームステイ先(語学学校提携で料金が安い)は、学校からの通学時間も徒歩20分で、週末もよく一緒に買い物やビーチに行くファミリーだったので、評判がいいと説明された私のホストファミリーよりも深く交流ができています。
ちなみに、ホストファミリーが週末に留学生を観光や買い物・ビーチに連れて行かなければいけないというルールはないので、週末に一緒に出掛けるかどうかは完全にホストファミリー次第となります。
私のホームステイ先での食事や生活環境は以下のような感じです。
朝食
シリアルかトースト、フルーツ
昼食
基本なしだが、ほぼ毎日前日の夕食の残り物をもらえる
夕食
パスタ、クスクス+魚、フライドチキン+チャーハン、ステーキ+サラダ+パンなど、バラエティーに富んでいる。
シドニー郊外のホームステイ先の周辺環境は自然にあふれていて、家の周りで野鳥を多く見かけます。
人に慣れているのか、家にいながらパンの切れ端で餌付けができることも特徴です。
オーストラリアには、バード・サンクチュアリーのような施設があるのですが、ホームステイをすればそのような場所に行く必要はないかもしれません。
【実体験】カナダ/バンクーバーでの語学学校提携ホームステイ
次に、語学学校提携のホストファミリーを利用した、カナダ・バンクーバーでのホームステイの実体験を紹介します。
ホームステイ先のおうち/料金/食事/
- 物件:2階建て7LDK(1階に留学生3人、2階に家族5人)
- 期間:3週間
- 手配料金:$160
- 料金:週$220
- 含まれるもの:朝、昼、夕食(ファミリーと外食時は実費)、水・光熱費、Wi-Fi、洗濯週1-2回
- 滞在エリア:ゾーン2
- 通学時間:ダウンタウンの語学学校まで45分
バンクーバーのホストファミリーは、語学学校のホストファミリーの中でも、どの国籍の生徒からも評判がいい「+Aファミリー」と呼ばれるホストファミリーでした。
ホストマザーもファザーも優しくフレンドリーで、現地情報をたくさんくれたり、過去に受け入れた留学生の話もよく聞かせてくれました。
子供たちがよく1階に遊びに来ていて、とてもいい子たちでしたが、ベルギー人のシェアメイトと相性が悪く「ホストファミリーとの関係性」以外の部分でマイナス。
食事の状況は以下のような感じです。
朝食
シリアルかトースト、フルーツ
昼食
フルーツ+プロテインバー、もしくはハム&チーズサンド1つ(パンぱさぱさ)
夕食
冷凍食品の魚のフライ+缶詰の豆、チキンとフライドポテト、ピザ、チャーハン+水餃子など出来合いのもの1プレート。
ちなみに、ホームステイ先での夕食例がこちらです↓
バンクーバー郊外や隣の都市のバーナビーでは、公園でリスをよく見かけますので、ホームステイ先でもちらほら目にします。
ただし、色はグレー・茶色・黒で人間をあまり怖がらず、日本人が想像する可愛らしいシマリスとは違い、現地では汚い存在として捉えられています。
病原菌を持っている可能性もあるので、見つけても触ったり餌をあげたりして噛まれないように気を付けましょう。
また、バンクーバーではマリファナが合法なので、郊外の住宅街でもマリファナのにおいが強烈な場所があります。
「お金かければGood」「安いとBad」ではない
語学学校のホームステイと手配専門業者のホームステイを比較すると、手配業者のホストファミリーの方が費用が高く、そのため水準も高く保たれていることは確かかもしれません。
ですが、料金が高い(私と同じ)ホームステイ手配業者を利用した友人のホストファミリーはハウスルールが厳しく、費用が安い語学学校のホームステイを利用した友人よりも酷い扱いを受けていたので、「料金=質」が100%成り立たないこともあるという現実を見せつけられました。
つまり、「お金をかければGood」「安いとBad」ということではないですし、生徒との関わり方はホストファミリー次第なので、手配業者も語学学校も留学生もコントロールすることはできません。
私は、オーストラリアで手配業者のホームステイを利用しましたが、カナダで語学学校提携ホームステイを利用した後に思ったことは、手配料金に5万円も支払う必要はなかったということ。
もちろん、「人生経験として、どうしてもGoodなホームステイ体験がしたい」という希望があるなら、”保険”として高い手数料をかけた方がいいという考え方も理解できますが、「料金=質ではない」ということも頭に入れておいた方がいいかもしれません。