海外留学やワーキングホリデー(以下 ワーホリ)は、行ってみなければ実態がつかめない世界。
手続きで利用する留学エージェントの選び方一つで、高額な費用を支払うか?実費だけの支払いで済むか?が変わります。
海外に行くことはお金がかかるのが当然!費用が高くても、海外なんてそんなもん!
そう思い納得して料金を支払っても、現地で友達になった日本人が利用した留学エージェントの手数料や現地サポート費用が0円だと知ると、
と感じてしまうのです。
そこでこのページでは、元語学学校の営業をしていた私が、絶対に選ばない留学エージェントをどうやって見分けるかをお伝えします。
目次
【無料が当たり前】留学エージェントの手数料の相場
留学業界において、「高い=質がいい」「安かろう悪かろう」の概念は当てはまらない傾向があります。
その理由は、手数料が無料でも質の高い留学エージェントが数多く存在するからです。
「大手」の留学エージェントに「高額」の料金を支払うことで「安心」を買う考えもありますが、「老舗」と言われる留学エージェントでも、
- 学校紹介手数料
- 学校申し込み手続き手数料
- 出発前サポート手数料
といった手数料は無料が当たり前の時代になりました。
加えて、留学費用自体を抑えるには、現地サポートも無料で付いてくる留学エージェントを選ぶことがカギとなります。
留学エージェントは大きく分けると、
- 現地サポートが有料の留学エージェント
- 現地サポートが無料の留学エージェント
の2つのタイプがあります。
オプションで追加料金を支払えば現地サポートを付けられるケースもありますが、現地サポートが元々無料の留学エージェントを選べば数万円~数十万円の費用を安くすることが可能です。
実際あった悪質な留学エージェント
実際にあった悪質な留学エージェントの実例には、以下のようなものがあります。
- 語学学校が発行する領収書を渡さない
- カウンセラーに留学やワーホリ経験がない
- 保険やホームステイを言う通りにしないとサポートしない
1.語学学校が発行する領収書を渡さない
私が語学学校で働いていた頃、語学学校が発行した領収書を留学生(生徒)に渡さない留学エージェントがありました。
留学エージェントを通して生徒の申し込みがあると、語学学校は
- 留学生(生徒)にお渡しする領収書
- コミッション(マージン)が記載された留学エージェント用の領収書
の2通の領収書を発行します。
2通とも、語学学校から留学エージェントに送付するものなので、留学生用の領収書は留学エージェントから受け取るのが一般的です。
ですが、
- 料金を上乗せして日本円で見積もりを出している
- 独自の為替レートがある
- パッケージ料金になっている
といった場合、語学学校の正規料金と留学エージェントの金額が異なるため、留学生から「語学学校の領収書をください」と言われても渡すことができなくなります。
万が一留学エージェントが潰れても、語学学校に授業料や入学金などが振り込まれていれば、自力で海外に渡航して語学学校に通うことができます。
ですが、語学学校に料金を振り込んだ証明(領収書)がなければ、ちゃんと授業料が支払われているか確認することができません。
過去には、お客様の授業料等を語学学校に振り込まず倒産した例もありました。
語学学校も留学エージェントも、いつ廃業になってもおかしくない今の時代、大金を支払うなら確実に領収書をもらいましょう!
2.カウンセラーに留学やワーホリ経験がない
留学エージェントには、創業者や留学カウンセラーに留学経験・ワーホリ経験がないケースがあります。
費用や自社のパッケージ(プラン)のことは話せても、
- 留学の細かい疑問に回答できない・質問を嫌がる
- いいことだけしか話さない
- 実情とは違う情報を吹き込まれる
- 申し込みをせかされる
という対応をされたのをよく覚えています。
3.保険やホームステイを言う通りにしないとサポートしない
大手留学エージェントを利用した私の友人で、「ホームステイしないなら何かあってもサポートできません」と言われたケースがありました。
留学・ワーホリでホームステイが嫌なら、学生寮に滞在する選択肢が用意されています。
ですが、留学エージェント自体がホームステイ以外の滞在方法は認めないというスタンスなら、たとえ語学学校が学生寮を提供していても、利用させてもらえません。
留学生を現地に送り込んだら、現地入り後のサポートには手を煩わすことなく、新規の留学生獲得に注力したいと考えるのも当然のこと。
ですが、誓約書を書かせるレベルまで行くと、ちょっと恐怖心を感じます。
【実例】現地入り後に発覚した評判が悪い留学エージェントの特徴
日本で海外渡航準備をするときはわからなかったけれど、現地入り後に日本人生徒が文句を言い出す、評判が悪い留学エージェントの特徴を紹介します。
- 料金が高い(現地サポート費用が無料のエージェントがあると知った)
- 申し込んだ空港ピックアップが手配されていなかった
- 渡航後の相談やトラブル対応・メールの返信が遅い
- 担当者が変わる
1.料金が高い(現地サポート費用が無料のエージェントがあると知った)
留学やワーホリで現地入りし、語学学校に通い始めると、日本人同士で「どこのエージェント使った?」という話題が持ち上がります。
そこで浮き彫りになることは、高額なサポート費用を支払っている人と、無駄なお金を支払わず実費だけの支払いで済んだ人の2タイプに分かれる現実です。
そう話す他の留学生やワーホリメーカーに出会い、初めて
と感じるのです。
2.申し込んだ空港ピックアップが手配されていなかった
ワーホリや留学でよくあるトラブルで、空港ピックアップが手配されていなかったケースをよく聞きました。
理由は多々ありますが、日本と現地の引継ぎ・連絡・やり取りのミスや手配漏れが主な原因です。
初めての海外で、言葉が通じない国でのトラブルは不安になり、とくに到着が夜の場合は空港も閑散とするので不安はさらに大きくなります。
3.渡航後の相談やトラブル対応・メールの返信が遅い
悪質な留学エージェントの中には、留学費用を振り込んだらメールの返信が遅くなったり、現地渡航後の対応が雑になるケースがあります。
その理由は、すでにお金を支払って海外に渡航した人のサポートに時間をかけるより、新規の留学生を獲得した方が利益になるからです。
語学学校には日本人スタッフもいるため、「何かあったら学校スタッフにお任せすればいい、だから海外現地オフィスは必要ない」と考える留学エージェントもあります。
4.担当者が変わる
私の友人は、日本に拠点のある留学エージェントを利用し、お金を振り込んだ後に担当者が変わったことがあったそうです。
留学エージェントのカウンセラーは離職率が高いと言われているので、退職してしまったのかもしれません。
また、渡航手続きを専任で担当しているスタッフがいる留学エージェントもあります。
どちらにしても、ただでさえ不安な海外留学やワーホリで「さぁこれから!」という時に信頼していた担当者じゃなくなると、これまでの信頼が不信感に変わって評判が悪くなるのです。
私が選ばない留学エージェントの見分け方
それではこれから、私が絶対に選ばない留学エージェントの見分け方をお伝えします。
- 現地サポート費用が無料か確認する
- 見積もりはドルで出してもらえるか確認する
- 見積もりの内訳が明記されているか確認する
- 語学学校のウェブサイトで料金を確認する
- 語学学校が発行する領収書を渡してくれるか確認する
- 授業料は語学学校に直接振り込みできるか確認する
- キャンセレーションポリシー(キャンセルの際の注意事)を確認する
- 保険を選ばせてくれるか確認する
- 「留学エージェントの名前+求人」で求人が出てないか検索する
1.現地サポート費用が無料のエージェントを探す
私は語学学校で営業&マーケティングをしていた経験から言えることは、日本拠点の大手留学エージェントも現地の無料留学エージェントも、語学学校に生徒を紹介したらコミッションが入るということです。
留学生からサポート費用を徴収している高額な留学エージェントも、留学生からサポート費用をもらわない無料留学エージェントも、「格安」と言われる留学エージェントも、根本的なシステムは変わりません。
そこで、「国名(都市名)+現地無料エージェント」で検索をかけて、現地サポート費用が無料のエージェントを探します。
2.見積もりはドルで出してもらう
どんな環境で勉強したいかを伝えると、条件に近い語学学校を3~4個ピックアップしてリストで送ってくれます。
語学学校の見積もりを取った時に注意することは、見積もりがドル(現地の通貨)で出されているか?を確認することです。
理由は簡単で、日本円での支払いには、費用が上乗せされていないかを疑う必要があるからです。
今の時代、手数料以外の名目でお金がかかることがあります。
- キャンセルしても返金されない頭金・申込金(数万円)
- 留学エージェント独自の為替レート(インターバンクレートよりも数円以上高い例)
- 質の高いホームステイの紹介料・手配料(現地価格の2.5倍)
ちなみに私は、初めてのオーストラリア・ワーホリで「無料留学エージェント」と言われているところを利用しましたが、「うちで紹介しているホームステイは手配料が高いですが、それは質の保全のためなので質の高さはおすすめできます」と言われ、現地の会社の2.5倍の紹介料を支払いました。
その時に学んだことは、日本円で見積もりが出された時点で何らかの料金が上乗せされていると疑うことです。
3.見積もりの内訳がしっかり明記されているか確認する
語学学校が留学エージェントからの見積もり依頼を受けると、
- 授業料
- 入学金
- 教材費
というように、料金の内訳を詳細に出します。
留学エージェントから出された見積もりに「内訳」がしっかり明記されているか?を確認しておきましょう。
4.語学学校のウェブサイトで料金を確認する
内訳が明記されているドルでの見積もりを受け取ったら、それぞれの語学学校のホームページに行き、正規料金よりも上乗せされていないか?を確認します。
また、学校が授業料割引キャンペーンや入学金免除プロモーションをしている場合、ホームページにその情報が掲載されているので、正規料金よりも安くなっていたら逆にラッキーです。
5.語学学校が発行する正式な領収書をもらえるか確認する
先ほどもお話しした通り、留学生の料金の支払いを確認したら、語学学校は2種類の領収書を発行し留学エージェントに送ります。
領収書は語学学校のレターヘッド入りのフォーマットで作成され、料金の内訳が記載されていますので、語学学校が発行した正式な領収書をもらえるか?を確認しましょう。
6.授業料は語学学校に直接振り込みか確認する
語学学校の料金の支払いは、留学エージェントの口座に振り込むのではなく、語学学校の口座に直接振り込むことができます。
留学エージェントが学校への授業料の振込を代行してくれることもありますが、
- 日本の口座へ日本円で支払いなら料金が水増しされている可能性
- 倒産寸前の留学エージェントだったら料金を語学学校に振り込まない可能性
があるため、直接振り込んだ方が安全です。
7.キャンセレーションポリシー(キャンセル時の注意事項)を確認する
申し込みをする前には、必ずキャンセレーションポリシー(キャンセル時の注意事項)を確認しましょう!
確認する項目は以下の二つです。
- ホームステイのキャンセレーションポリシー
- 語学学校のキャンセレーションポリシー
語学学校によって、
- コースが始まる前のキャンセルなら全額返金
- コースがスタートして〇日以内なら授業料の80%分を返金
- 〇週間過ぎたら返金不可
など、返金規約が異なります。
8.保険を選ばせてくれるかを確認する
海外で長期滞在する時、保険に加入することをおすすめしますが、多くの留学エージェントは日本の海外旅行保険を案内します。
日本の海外旅行保険の保険料は高いですが、キャッシュレスでドクターの診察が受けられる点は、英語が苦手な人にとっては安心です。
日本の海外旅行保険は高くてちょっと…という場合、年間の保険料が約半額の現地の保険(例:オーストラリア・ニュージーランドならユニケア)も加入することができます。
問い合わせをしている留学エージェントが、日本の海外旅行保険でも現地の保険でもOKか?選択させてくれるか?について確認しましょう!
信頼できる良心的な留学エージェントなら、留学生の意思を尊重してくれますし、どちらの選択肢を選んだとしてもちゃんとサポートしてくれます。
9.「留学エージェント名+求人」で求人が出ていないか確認する
悪質な留学エージェントのポイントの一つに、「カウンセラーに留学・ワーホリ経験がない」という項目があります。
これは「留学エージェント名+求人」で検索をかけて募集内容を確認することで調査することが可能です。
求人の応募条件に「留学経験は必要ありません」と書かれていたら、怖いですよね。
また、常に求人が出ている留学エージェントは離職率が高い傾向もあるので、渡航前に担当者が変わる可能性も否めません。
留学エージェントの現地サポート内容
留学やワーホリで海外に滞在中の「現地サポート」には、以下のような例があります。
- 現地の銀行口座開設案内
- 携帯電話の契約案内
- タックスファイルナンバーの取得方法の案内
- 日本語が通じる病院の案内
- オフィスの利用や荷物の預かり
- ファームやシェアハウス・仕事の探し方の案内
これらの現地サポートが無料か?有料オプションで選べるか?は、留学エージェント次第です。
1.現地の銀行口座開設案内
現地の銀行口座の開設サポートでは、
- 日本語が通じるスタッフがいる銀行の案内
- 銀行口座開設のためのレター発行
といったヘルプをしてくれます。
銀行まで同行してくれる留学エージェントもありますが、基本的には日本語が通じる銀行スタッフのところで開設すれば問題ありません。
2.携帯電話の契約案内
携帯電話の契約案内では、
- 日本人留学生用の携帯電話会社の紹介
- 日本人スタッフがいる携帯電話ショップの案内
といったサポートがあります。
個人でSIMカードを契約している人もいるので、日本の携帯電話のSIMロックを解除してくれば、本体購入費用を浮かせることが可能です。
3.タックスファイルナンバーの取得方法の案内
タックスファイルナンバーの取得は各自で行いますが、留学エージェントがやり方を教えてくれます。
手順通りに必要個所を入力するだけなので、そんなに難しくありません。
4.日本語が通じるクリニックの案内
海外には、日本人の通訳が常駐しているクリニック(GP=かかりつけ医)があり、安心して受診することができます。
ただし、通訳は24時間対応ではないので、救急外来に搬送される場合は自力で乗り切らなければいけません。
専門医で受診する場合は事前に通訳を手配するケースがほとんどですが、都市部以外の小さな町では日本人の通訳自体がいないことが多いです。
5.オフィスの利用や荷物の預かり
現地オフィスがある留学エージェントでは、オフィスの利用(PCの利用・資料の閲覧など)や荷物の預かりサービスを行っているケースがあります。
ただし、現地にオフィスがあっても利用不可の留学エージェントもあるので、申し込む前に確認必須です。
6.ファームやシェアハウス・仕事の探し方の案内
留学生やワーホリメーカーが利用する日本語クラシファイド・英語版クラシファイドや、ファームやシェアハウス・仕事の探し方などの情報提供をしてくれます。
タイミングが合えば、空きのあるファーム情報に巡り合えたり、空きの出たシェアハウスの情報に出会えることも…。
また、留学エージェントによっては、仕事探しに必要な英文履歴書の添削をしてくれることもあります。
留学エージェントの無料現地サポートで期待できないこと
無料で現地サポートを行ってくれる留学エージェントであっても、以下のような内容は追加料金がかかるか、専門家に相談する必要があります。
- 現地滞在中の緊急対応
- 警察沙汰・個人で起こした問題の解決
- 事故やケガ・病気の事後対応
- 永住権取得についての相談
国によって、永住権や保険の相談は資格を持っている人しかできないため、法律を守っている留学エージェントでは相談を受け付けてないことがあります(語学学校でも同様です)。
- 事故やケガ・病気の事後対応→「保険会社」
- 永住権の相談→「移民弁護士・ビザアドバイザー」
- 警察沙汰・個人で起こした問題の解決→「弁護士」
というように窓口が決まっており、弁護士は相談料が発生すると覚えておきましょう。
現地滞在中の緊急対応は、どこまで対応するか?料金はいくらか?が留学エージェントによって異なるので、心配であれば事前に確認することをおすすめします。
【まとめ】留学エージェントは複数問い合わせが前提
私がワーホリで実際に出会った、高額な留学費用を支払って悲しんでいた人の共通点は、情報収集力不足です。
でも、リーズナブルで良心的な留学エージェントは、日本国内だけでなく海外の現地にもあります。
- 現地サポート費用が無料か確認する
- 見積もりはドルで出してもらう
- 見積もりの内訳が明記されているか確認する
- 語学学校のウェブサイトで料金を確認する
- 語学学校が発行する領収書渡してくれるか確認する
- 授業料は語学学校に直接振り込みか確認する
- キャンセレーションポリシーを確認する
- 保険を選ばせてくれるかを確認する
- 「留学エージェントの名前+求人」で求人が出てないか検索する
見積もり後のやり取りを進めていくと次第に削ぎ落されていき、これらすべてのステップを踏む前に利用したい留学エージェントが決まると思うので、参考にしてみてください。