ホームステイ先でのトラブルや不満はもちろん、ホストファミリーが冷たかったりホームステイ先でのルールが厳しいと「ホームステイ先変更したい…」と思い始めることがあります。
文化も生活習慣も違う海外の家庭に滞在するホームステイでは、たとえいいホストファミリーに当たったとしても、100%パーフェクトなホームステイ先はありません。
日々の生活の小さなことで悩んだり、些細なことが気になるのも当然です。
私は、語学学校の日本人カウンセラーとして働いていましたが、生徒からの相談でダントツ1位はホームステイ先での不満・トラブル・悩み!
様々なケースにぶち当たったからこそ、気まずい思いや辛い思いを回避してホームステイ先の変更に対応できたことも数多くあります。
そこでこの記事では、
- あなたにも当てはまるかも?ホームステイを変更したいと思う理由
- ホームステイ先の変更方法(流れ・手続き・裏事情)
- ホームステイ先と気まずくならないための対処法
をお話ししようと思います。
「こんなことで悩んでいいのかな?」と疑問を抱えている人、ホームステイで我慢をしている人の心が楽になれば幸いです。
あなたにも当てはまるかも?ホームステイ先を変更したいと思う理由
まず初めに、「ホームステイ先を変更したい」と思う理由をお伝えします。
【ぶっちぎりNo.1】ホームステイ先でのトラブル
ホームステイの変更を希望する理由のダントツNo.1は「ホームステイトラブル」!
ですが、留学生よって様々なケースがあります。
- ホームステイ先のご飯がまずい(ひどい)
- ホームステイ先の食事の量が少ない
- ホストファミリーが英語を話してくれない
- ホームステイ先でのお風呂(シャワー)が5分まで
- シャワー後のヘアドライヤー使用禁止
- ホームステイ先でのルールが厳しい
- 週末は必ず家全体のクリーニング(半ば強制)
- ホームステイをビジネスでやっているため冷たい
- ホストファミリーがいつも怒っていて怖い
- 同じホームステイ先に滞在している他国の留学生とのいざこざ
- ホームステイ先の冷蔵庫が使えない
- ホームステイ先で洗濯をさせてもらえない
- いつもホストファミリーに会えない
上記は、実際に私が留学(ワーホリ)中に経験したトラブル、友人に降りかかったトラブル、語学学校で働いていた時に相談を受けたトラブルです。
身近なところで言うと、ご飯が不味かったり、食事の量が少ないかったり、シャワーの使用が5分までだったり、ヘアドライヤー使用禁止はキツいですよね?
環境を大事にするとはいえ、ホームステイ先でのルールの厳しさが度を越えている場合、すぐに「変更」という選択肢を視野に入れてしまうのも仕方ありません。
ホームステイのトラブルについては、以下の記事で詳しく書いています。
2.ホストファミリーとの相性が合わない
ホームステイには、ホストファミリーの「当たり」「ハズレ」があります。
どの国籍の生徒からも評価が高いプラス A ホストファミリーもいれば、ヨーロッパ系の生徒からは評価が高いけれどもアジア系の生徒からは評価が低いホストファミリー、日本人の受け入れのみを行っているホストファミリーなど様々。
当たり外れの主な原因となっているのは、多くの場合、相性が「合う」か「合わない」かです。
ヨーロッパ系の留学生が我慢できることを、日本人の生徒が我慢できない
日本人の留学生が我慢できることをヨーロッパ系や南米系の留学生が我慢できない
頃まで育ってきた環境バックグラウンドにもよりますし、ホストファミリーも留学生も人間なので、どうしようもありません。
そして、ホームステイ先でのトラブルは
「ホストファミリーとなんか気まずい」
「ホストファミリーの対応が冷たく感じる」
といった、小さな悩み・少し気がかりなことから発展する場合が少なくありません。
受け入れることも学びの一つかもしれませんが、精神的に負担がかかっていたりストレスになっている場合は変更の理由となっても仕方ないでしょう。
ホームステイの「あたり」「ハズレ」については以下の記事で詳しく書いています。
3.ホームステイ自体がつまらない(合わない)
私がサポートした日本人留学生の中で、日本で自立して生活していた社会人(特に20代後半)に時々あったケースですが、ホームステイ自体がつまらない(合わない)という理由で変更を希望する人がいました。
この場合、
- ホームステイの契約を終了させて、シェアハウスに引っ越す
- スチューデントアコモデーション・スチューデントレジデンス(学生寮)に移動する
の2通りの選択肢があります。
もうすでに「ホームステイが合わない」のですから、無理にホストファミリーの変更をして様子を見なくても、自分の気持ちに従って大丈夫です。
ホームステイ先の変更前に知っておくこと!
ホームステイを変更する前に、注意事項を知っておきましょう。
【事前に知っておこう!】ホームステイ先変更には2週間前に申し出が必要
ホームステイ先で不満があったとき、ホストファミリーの変更は可能なのですが、変更希望があるときは「2週間前までに申し出る」という規定があります。
突然「もう嫌だから明日出たい」と言っても、そうはいかないのが現実なのです。
ホームステイ先変更までに2週間かかる理由
ホームステイ先変更までに最低2週間かかる理由は、3つあります。
- 一度ホームステイ先の苦情があった生徒には、比較的評価の高いホストファミリーを手配するため
- 時期によって、ホームステイの空きが少ないため
- 受け入れる生徒を制限しているホストファミリーもいるため
ホームステイ先での苦情があった生徒には、それ以上トラブルにならないよう「one of the best=最高(のホストファミリー)の中の一つ」と呼ばれるホストファミリーの中から変更先を探します。
例えば…
- 18歳未満の生徒は受け入れない
- 子供が思春期だから、子供と同性の生徒しか受け入れない
- ベジタリアンは受け入れない etc…
このような理由も考慮し、生徒が去を予定している日から受け入れてくれる、評判のいいホストファミリーを探さなければいけないのです。
ホームステイの変更理由にならないケース
ホームステイは、いつ・どんな理由でも変更できるというわけではありません。中には、変更理由にならないケースもあります。
Wi-Fiがないから、Wi-Fiのあるホームステイ先に移りたい
家族構成が原因でホストファミリーを変えたい
【ケース1】Wi-Fiがないから、Wi-Fiのあるホームステイ先に移りたい
今の時代、日本ではインターネット無制限・Wi-Fiがあって当たり前の家庭も多いですが、海外の家庭のインターネット環境は日本よりも劣っていることがあります。
Wi-Fiはあるけど、生徒には貸さないというホストファミリーもいますし、実際私がそこに当たりました。
でも、ホストファミリー登録基準に「Wi-Fi完備」という条件がなければ、契約違反ではありません。
自分でポケットWi-Fiを契約する手段もありますので、解決策として提案されるでしょう。
【ケース2】家族構成が原因でホストファミリーを変えたい
シングルマザーのお宅なので変えてください。
ホームステイで、保護者からこういった希望をいただくことがあります。
本人は悪気はないのでしょうけど、シングルマザーは、ホームステイ変更の理由にはなりませんので、ご了承ください。
— Takeshi Sakamoto@🇦🇺無料留学相談 (@TakeshiSakamot) June 29, 2019
上記のツイートでもある通り、ホームステイ先の家族構成は、変更希望の理由にはなりません。
- シングルマザーだから不満
- 子供がいる家庭だから不満
- 家族以外の人が住んでいるから不満
というだけでは認められないことがほとんどでしょう。
変更を希望するときは、あくまで、ホストファミリーやホームステイ先の住人との間に問題があった時なのです。
【ケース3】ホームステイ先が遠い
ホストファミリー登録をする家庭は、都市部から30~60分ほど離れた住宅地に住んでいることがよくあります。
「ホームステイ先が遠い」というデメリットは、申し込みの時に説明があるので、距離が原因でのホームステイ先の変更は多くの場合認めらないと心しておきましょう。
話し合いで解決できそうなら、話し合いを進められることもある
不満があって相談したことでも、「話し合い」で解決できそうなことは「話し合い」を提案されることもあります。
海外では、「家の中の問題は自分たちで解決する」が基本的な考え方なので、ホストファミリーが生徒に話す前に学校に苦情を入れることは稀ですし、直接「これをやめてほしい」「こうしてほしい」とお願いされるのは普通のことです。
でも、お願いされた内容が(英語だからという理由で)理解できない場合や、文化が理解できない場合は、日本人カウンセラーに相談しましょう!
ホームステイ先変更の6ステップと気まずい思いを避ける退去理由
それではここから、実際にホームステイ先を変更するときの流れをお伝えします。
【ステップ1】我慢は不要!ホームステイでの不満は吐き出すべし!
「なんかちょっと無理になってきたな~…」
そんな感情が心に芽生えた時点でやることは、すぐにホームステイコーディネーターか日本人カウンセラーに相談すること。
ホームステイコーディネーターは現地の人であるケースが多いので、日本人カウンセラーの方が安心かと思います!
「こんな小さな悩み、話すほどのことかな~?」
「もう少し様子見てみようかな~?」
と、我慢強い日本人なら遠慮してしまいがちですが、そんな気遣い・心配は無用です!
小さなことでも、我慢している間に不満やトラブルが突然大きくなって、逆にホストファミリーから学校に苦情の電話が入ることもあります。
「なんかちょっとおかしいぞ」と思ったら、即報告しましょう!
【ステップ2】ホームステイ先を変更するか、契約をキャンセルするかを考える
自己解決もできない…。
話し合いでも折り合いがつかない…。
精神的にもう無理!!
限界を迎えて「ホームステイ先を出たい!」と思ったら、ホームステイ契約の残りの期間によって、
- ホームステイ自体をキャンセルするのか?
- 他のホストファミリーに変更するのか?
どちらで進めるかを相談しましょう。
ここで注意したいのが、「ホームステイという滞在スタイルが合っているか?」についてしっかり考えること!
「ホームステイは英語環境だから、キャンセルじゃなくてとりあえず今回はホストファミリーを変えてみようかな」と思って変更しても、結局ホームステイというスタイル自体合っていないなら、他のホームステイ先に変更しても不満は出てきます。
私の失敗から学んだことですが、「シェアハウスに住みたいかも…」と少しでも思ったり、「もっと友達と自由に遊びたい」と思ったら、すぐにキャンセルして自由になることをおススメめします。
そしてそれは、現地に到着してまだ数週間しか経っていない場合でも、ホームステイ契約期間が数ヶ月残っている場合でも同じです。
英語環境を作ることは、ホームステイに頼る方法だけじゃなく、自分の頑張り次第でいくらでも何とでもなります。
【ステップ3】ホームステイ先に伝える「気まずくならない退去理由」を考える
「ホームステイ先との相性が合わないから」という理由で変更を希望した時に、こんな不安が頭をよぎることがあります。
- ホームステイ先に退去の連絡が行ってから2週間、ホストファミリーとは気まずい空気で過ごすの?
- 学校に相談した内容、どこまでホストファミリーに通知されるの?
それを回避するために、あらかじめ「それっぽい退去理由」を考えておくことをおススメします。
語学学校で勤務した私の経験上、怪しまれずにすんなり受け入れられ、退去までの期間気まずくならなかった「それっぽい退去理由」は…
です!!!
実際はシェアハウスに移らず、ホームステイ先を変更しただけだったとしても、元のホストファミリーに追跡されることはほとんどないので、「ホームステイ自体を辞める」という理由が一番無難という結果となりました。
ただし、提携している学生寮(スチューデント・アコモデーション/レジデンス)に引っ越す(移動する)と伝えてしまうと、学校のサービスを利用したことになるので、ホストファミリーに不満があったと悟られる可能性が高いです。
嘘をつくことにはなりますが、気まずい状況やホストファミリーからの冷たい対応を回避して自分の身を守るために
- 自力で見つけたシェアハウスに引っ越すという点
- シェアハウスに住んでいる友達の部屋に空きが出たから、ホームステイなどの語学学校が提供するサービスを一切キャンセルするという点
をホストファミリーに伝えてもらうよう、強調しましょう!
【ステップ4】自分で伝えるか?学校を通して伝えるか?を考える
「それっぽい退去理由」を考えたら(もしくは、先ほど紹介した手段を使うと決めたら)、ホームステイ先への伝え方を考えましょう!
留学生から直接ホストファミリーに伝え、後から語学学校の担当者に連絡を入れてもらう方がいいこともあるためです。
そこら辺は、ホストファミリーとの関係性によって異なってくるのと、あなたの気持ちの問題もあるので、伝える前に打ち合わせをしておいた方が良いと思います。
自分で伝えることを選んだら、「後日、語学学校からも連絡がある」とホストファミリーに伝えるとベターです。
【ステップ5】ホームステイコーディネーターに次のホストファミリーを探してもらう
生徒から正式な変更の申し出があったら、ホームステイコーディネーターが次の新しいホームステイ先を探します。
ここで考えたいことは、あまり多くのリクエスト(希望)を出してしまうと、なかなか移動先が見つからないという事態に陥る可能性です。
私が対応したケースでは、絶対に子供がいないホストファミリーを希望した留学生の新しいホームステイ先が決まるまで1ヶ月かかったということがありました。
海外滞在期間中にシェアハウスに住むことを考えているなら、この時にホームステイをキャンセルする選択肢も考えていいかもしれません。
【ステップ6】ホームステイコーディネーターがあなたの退去連絡をする
次のホームステイ先が見つかったら、ホームステイコーディネーターがあなたが退去することをホストファミリーに伝えます。
私が勤めていた語学学校のホームステイコーディネーターは、滞在しているホームステイ先への入電で、
- 現在滞在している留学生の退去の連絡
- 新しい生徒の受け入れのお願い
という2つの要件を、1本の電話で済ませていました。
時々、現在滞在している留学生の退去の連絡を先にして、「新しく受け入れてほしい生徒が見つかったらまた連絡するね」と言って2回に分けることもありましたが、基本的に会話は簡潔です。
また、ホームステイ先との相性が悪いからという理由で変更を希望しても、
- 留学生が今の滞在先をどう思っているか
- 留学生から苦情があった
ということを、学校側から話を振ることは(私が聞き耳を立て聞いた限りでは)ありませんでした。
ただし、この時にホストファミリーから探りを入れられていたり、不満が出てくることはあります。
【まとめ】
それでは最後に、ホームステイ先の変更で気まずい思いをしないための6ステップをまとめます。
- 我慢は不要!ホームステイでの不満は吐き出すべし!
- ホームステイ先を変更するか、契約をキャンセルするかを考える
- ホームステイ先に伝える「気まずくならない退去理由」を考える
- 自分で伝えるか?学校を通して伝えるか?を考える
- ホームステイコーディネーターが次のホストファミリーを探す
- ホームステイコーディネーターがあなたの退去連絡をする
ここページでは、私が勤めていた語学学校のホームステイ先変更の流れと、私が日本人カウンセラー時代に使っていたホームステイ先の変更戦略をお話ししてみましたが、学校によってホームステイの不満・苦情の対応のしかたは様々です。
「気まずくならずにホームステイ先を変更したい!」と思ったら参考にしてみてください。