
SNSでワーキングホリデー(ワーホリ)の相談を受け付けていた頃、こんな質問をもらいました。

そうですよね!ワーホリについて超簡単に説明すると「1年間海外の国で旅も遊びも仕事も何でもできる夢のビザ」なのですが、自由であるが故に何をしていいのかわからない。。。
ということでこのページでは、ワーキングホリデーについての説明と、1年間で何をどこまでできるのか?について私の経験を交えながらお話ししようと思います。
目次
ワーキング・ホリデー(ワーホリ)とは何ぞや?
ワーキング・ホリデー (Working Holiday)とは、2国間の協定に基づいて、青年(18歳〜25歳または30歳)が異なった文化(相手国)の中で休暇を楽しみながら、その間の滞在資金を補うために一定の就労をすることを認める特別な制度である。
引用元:ウィキペディア(https://ja.wikipedia.org/wiki)より一部抜粋
日本とワーキングホリデー協定を結んでいる国に、ワーキングホリデービザで滞在している期間中は、「学校に通う(学ぶ)/働く/旅をする」など、様々なことが可能です。
では、実際にはどんなことができるのか、詳細をお話しします。
1.語学学校に通う(学校に通う)
「海外に行く」となると、最低限生活できるだけの英語力は欲しい!と考えるのが自然かと思いますが、ワーキングホリデービザでも語学学校に通うことができます。
語学学校に通える期間は国によって異なり、オーストラリアなら4ヶ月(17週間)まで、カナダとニュージーランドは6ヶ月までと規定があります。

正直なところ、語学留学に通っても英語が伸びない人、語学留学に行かなくても英語が伸びた人、どちらのケースもあるので、
- 語学学校は必要か?不要か?
- 語学学校に行くべきか?行かなくても大丈夫か?
については、適正により異なるとしか言いようがありません。
また、語学学校に通って英語を勉強するだけでなく、ヨガのインストラクターやマッサージセラピスト等のコースを受講することも可能です。
2.ひたすら働く!お金を稼ぎまくる!
通常、海外で働くためには「ワークパーミット(Work Permit)」と呼ばれる許可証がいるのですが、ワーキングホリデーを利用して渡航する人(以下:ワーホリメーカー)はオープンワークパーミット(Open Work Permit)がもらえます。
働く場所は制限されず、退職してもビザの期間内なら転職もできます。
ちなみに、会社が出してくれる就労ビザは「クローズド ワーク パーミット(Closed Work Permit)」といい、ビザを出してくれている会社を退職したら、期間内に国を出るか次にビザをサポートしてくれる雇用主を見つける必要があります。
3.旅をする
ワーホリで1年間海外に滞在する多くのワーホリメーカーは、帰国前になると、その国をぐるっと回る「ラウンド・トリップ」と呼ばれる旅に出ます。
- レンタカーでロードトリップ
- 東⇔西へ横断
- 北から南へ縦断
もちろん、ラウンドトリップじゃなくても、仕事や学校の休暇を利用して少しずつ国内旅行する人もいますので、旅の方法はいくらでもあります。
4.のんびり海外生活を楽しむ
日本でひたすら働いてきた人なら、海外でアルバイトをしながらちょっとのんびりした生活を送りたいと思う人もいることでしょう。
ワーホリならそれもアリ!
もちろん日本人だけでなく、韓国人もイタリア人もブラジル人でも、それぞれの国での「常識」や「役に立たない一般論」に疑問を持ち、一旦頭をクリアにするために海外を見に来ている人もいます。

ワーキングホリデーで行ける国と人気の国
日本がワーキング・ホリデー協定を結んでいる国は、2020年12月現在で26ヶ国あります。
- オーストラリア
- ニュージーランド
- カナダ
- イギリス
- アイルランド
- 韓国
- 台湾
- 香港
- フランス
- ドイツ
- スペイン
- ポーランド
- ポルトガル
- オーストリア
- ハンガリー
- オランダ
- チェコ
- スロバキア
- アルゼンチン
- チリ
- スウェーデン
- デンマーク
- ノルウェー
- アイスランド
- リトアニア
- エストニア
上記の中でも、グローバルランゲージである「英語」を学べる国が特に人気ですが、ビザの発給数が多い国は以下の順となります。
- オーストラリア(毎年1万以上の発給数)
- カナダ(毎年6500人までの制限あり)
- ニュージーランド(毎年2000人~3000人)

ワーホリの期間
ワーホリで滞在できる期間は、1ヶ国につき1年間。
ですが、国によっては、季節労働をすると延長が可能です。
例えばオーストラリアは、1年目で88日の季節労働(ファームなど)をすると2年目のワーホリビザを申請することができ、さらに2年目に半年の季節労働をすると3年目のワーホリビザを申請できます。
ニュージーランドも、1年目に3ヵ月の季節労働やファームジョブをすると、3ヶ月ワーホリびざの延長が可能です。
が、このファームジョブは雇用主によってはキツイ場合もあるし、時給制か歩合制かによって稼ぎが変わるので、「88日」や「3ヶ月」という短期間でさえ乗り越えられずに脱落する人もいます。
ワーホリの行き先(渡航国)の選び方
日本から海外に渡航するワーホリメーカーは、どのようにして国を選んでいるのでしょうか?
1.行きたい国に行く
渡航先を選ぶ上で一番重要なのは、「行きたい」と思う国に行くこと!
私は英語圏3ヵ国を渡り歩きましたが、同じ英語圏なのに、その国に住む人の国民性・集まってくる人・年間の気候にも違いがあります。
現地で仕事をしようと思っても、時給の高さや仕事の探しやすさも変わるのです。
2、やりたいことができる国に行く
次に大事なことが、「やりたい」と思うことができるか?
一番な簡単な例を挙げて説明すると、「英語を使って海外で生活したい!」と思うなら英語圏、「スペイン語を勉強したい!」と思うならスペインやスペイン語圏(南米のチリやアルゼンチン)を選べば、日常的に言語に触れることができます。
「海外でファームジョブを体験したい」と思うなら、オーストラリアやニュージーランドがおすすめですし、バリスタの資格が欲しい/将来カフェをオープンしたいと思うならオーストラリアが最適です。
「ワーホリ」と「留学」って何が違うの?
海外に行くことを考えはじめると、真っ先に思い浮かぶ手段が「留学」だと思います。
留学の目的は、海外に行って教育を受けること(学ぶこと)なので、1~3ヶ月程度の短期留学も、学生ビザを取得して学校に通う長期留学も、どちらも「留学」となります。
国によっては、最長6ヶ月までなら観光ビザで学校に通うことができますが、ワーホリと同じ期間(1年間)海外留学するなら「学生ビザ」を取得することが必要です。
「ワーホリ」では、週40時間のフルタイムで働くことが可能ですが、学生ビザで渡航する「留学」の場合はフルタイムで労働することができません(学生ビザでも週20時間までのアルバイトなら認められている国もあります)。

ワーホリに英語力は必要?
「ワーホリに英語力は必要か?」については、人それぞれ経験によって見解が違います。
英語力が低くても、語学学校に通わずに英語環境に飛び込んでいき、そこで生の英語を吸収できる人なら「英語力は現地に飛び込めば自然と身につく」と言います。
英語ができなくても、英語ができる日本人やローカルの人など、(ありがたいことに)周囲の人たちに助けられていれば「なんとかなる」と言う人もいます。
日本人と一緒に住み、日本人だけの職場で働き、日本人の友達とばかりつるむ。そんな環境を好む人は「英語ができなくても海外で生活できるよ」と言うでしょう。
最悪、海外に行っても日本語環境はいくらでもあるので、その中で過ごすだけなら英語力はほとんど必要ありません。
ですが、せっかくの海外生活、こんなことしたくないですか?
- いろんな国籍の友達を作る
- 外国人や地元の人と一緒に住む
- 国際色豊かな職場や現地の会社で高時給で働く
「英語はできなくても大丈夫」という意見も間違いではないですが、日本語環境だけで満足できないなら必須です!
ワーホリで語学学校は必要?
ワーホリで語学学校は必要か?については賛否両論あります。
語学学校に通う選択をする場合、以下のような理由が背景にあります。
- 英語力の基礎を築くのに一番手っ取り早い
- 友達が欲しい
- もう一度学生に戻りたい
- IELTSやケンブリッジなどの英語の資格を取得するため
- 仕事などでいきなり現地に飛び込むには尻込みする
逆に、語学学校否定派の人は、「行ってみたけど必要なかった」というケースが多く、その理由は様々。
- 費用が高い上に授業がつまらない
- 「机上で英語を学ぶ」というスタイルが合わない
- 語学学校に行かなくても英語は伸ばせる
- 現地で仕事をすれば友達はできる
私は2ヵ国で語学学校に行き、「行ってよかった」という経験も「行かなくてもよかった」という経験も両方していますので、語学学校賛成派の意見にも否定派の意見にも同意できます。
でも、賛成派/否定派どちらに転ぶかは、語学学校でどんな人に出会うか?で決まると思います。
【補足】ワーホリビザで語学学校に通わない方がいいケース
ワーホリビザで渡航して語学学校に通うことは可能ですが、
- ワーホリからワークビザに切り替えて働いくことを目指したい
- 永住権に挑戦したい
と思っているなら、自由に就職も転職もできる「ワーホリビザ」の残存期間をできるだけ長く残しておく方が有利だったりします。
語学学校に通う間は観光ビザや学生ビザで滞在し、その後ワーホリビザに切り替えるという手段もあるので、検討してみましょう。
現地の会社の求人には、ワーホリビザで滞在している人は雇わないと明記されていることがあります。
ですが、私がニュージーランドのスパで採用されたときは、「ワーホリビザの子は雇わない予定だったけど、まだ来たばかりでワーホリビザが1年近く残っていたからOK」という理由で採用されました。
ワーホリビザの残存期間が合否に関わることもあるので、残りの期間が長いことは強みになります。
ワーホリに留学エージェントは必要?
語学学校は、小さな学校からマンモス校と呼ばれる大きな学校までさまざまで、国籍比率や先生の質・雰囲気なども全然違うので、リサーチするのが困難…。
もし、語学学校探し(インターネットでのリサーチ、語学学校とのメールのやり取り)に時間を費やすなら、留学エージェントに問い合わせしたほうが早いでしょう。

ワーキングホリデーの費用
ワーキングホリデーの費用は、20万〜120万円とかなり開きがありますが、「現地で語学学校に通うか?通わないか?」で大きく異なります。
結論から言うと、語学学校に通わなければ安く抑えることが可能です。
私の例で言うと、3ヵ国目のニュージーランドは約21万円の初期費用で渡航しましたが、最初のワーキングホリデーでは語学学校に4ヶ月通ったので、100万円は軽く超えました。
授業の質が高く保たれている語学学校の場合、2ヵ月行くと約25〜35万円ぐらい、4ヵ月行くと約55〜65万円ぐらいかかります。
私の3ヵ国それぞれのワーホリの初期費用は、すべて以下の記事でまとめています。
【ワーホリ資金】実際みんないくら貯金するの?貯金方法は?
これは実際よく聞きますし、極端に少ない金額で海外に渡航する人も中にはいます。
ですが、私は絶対おすすめしません。
海外では、「こんなはずじゃなかった」「知らなかった」という状況に陥ることが普通にあります。
しっかり計画して現地入りしても
- シェアハウスが見つからない
- 仕事がすぐに見つからない
- 滞在先でのトラブル
など予想外の出費があり、貯金を切り崩さなければいけないこともあります。
どんな状況になっても、お金に余裕があると心にも余裕が持てますし、できることも変わってくるので、ワーホリ資金はできるだけ貯めておくといいでしょう。

ワーホリ用のお金を作った話は、以下の記事でまとめています。
ワーキングホリデーでできる仕事
ワーキングホリデー中にできる仕事は以下のようなものがあります。
- ウエイター・ウエイトレス
- シェフ・キッチンハンド・皿洗い
- クリーナー・エクスチェンジ
- ベビーシッター (ナニー)
- ファーム・WWOOF
- バリスタ・カフェスタッフ
- ツアーガイド・オペレーターなどの観光系
- レセプショニスト
- ギフトショップ・ダラーマート (100均の海外版) 店員
- マッサージセラピスト
- 美容師
- 語学学校・留学エージェントのインターン・カウンセラー・マーケターなど営業系
- 事務・会計士などのオフィス系
- 通訳・ITなどの技術系
- 配送・工場のライン
- 情報誌の編集
- 卵子提供、キャバクラ、カラオケバーetc…
これらは主に、日本語の求人サイトで見かける求人。
技術系やオフィス系・営業系の求人は、飲食系の求人に比べると数はグッと減りますが、チャンスがゼロではありません。
英語力によってできる仕事に幅も出てきますが、やろうと思えばなんでも仕事にすることが可能です。
初めて海外に出る前に、ゼロから中学英語をやり直した私でさえ、海外の現地の会社で働くことができましたので、一番大事なのは行動です。

ワーホリ・オーストラリアでの仕事
ワーホリ・カナダでの仕事
ワーホリ・ニュージーランドでの仕事
3ヵ国での仕事探しや時給については、「【ワーホリの仕事の種類と探し方】オーストラリアvsカナダvsニュージーランドの最低時給と実体験を比較」という記事で紹介しています。
ワーホリから日本帰国後は仕事見つかるの?
ワーホリで海外に出る前の不安材料の一つは、帰国して仕事が見つかるのか?
「海外に行く」と周りに言うと、「帰ってきて仕事なかったらどうするの?」と言われ反対される話もよく聞きます。
ですが今の時代、正社員・派遣・起業・フリーランスなど働き方が多様。
私たちは日本人で日本の市民権を持っているのだから、日本ならできることは何でもあると思うし、むしろ海外で仕事を探す方が大変です。
ワーホリに特別な目的/理由はないけど行くべき?

このように、何か特別やりたいことがあるわけではないから一歩踏み出せないと話す人もいますが、「行きたい」は十分立派な理由です。
何の目的もなく「海外に出たら何か見つかるかも」と思って海外に出ても、結局何も見つからないよ…。
と言う人もいますが、私は「海外に出るという方法では何も見つからなかった」という現実を知れただけでも収穫だと思います。
それに、私自身も私がワーホリで出会った友人も
- ちょっと日本を離れてゆっくりしたい
- 人生が苦しすぎて逃げたい
- 日本の人生に疲れ切って海外で人生を見つめなおしたい
という理由でワーホリに行った経験がありますが、その後日本に帰ってきてまた人生を歩んでいるので、なるようになります。
