
海外に住んでいた頃、お互いに特定のパートナーがいながら他の相手とも交際を楽しむ「オープンリレーションシップ」を実践しているヨーロッパ人カップル(夫婦)に出会いました。
実は私自身、このカップルに出会う前に、オープンリレーションシップを実践する4股男性に恋をして撃沈していたので、なぜ「オープンリレーションシップ」という恋愛スタイルで上手くいっているのかわからず興味津々!!
- 自分のパートナーが他の異性とデートしたり性的関係を持つことに対して嫉妬心しないの?
- 2人の関係はどのように成り立たせているの?
彼らに聞いた質問の答えには、私が今まで考えもしなかった斬新な発想や、想像以上に深いお互いの信頼関係がありました。
私の理解できる範疇は超えているけど、オープンリレーションシップを実践しながら円満な関係性を築く秘訣を、このページでシェアしたいと思います。
目次
オープンリレーションシップとは?
まず、オープンリレーションシップには、以下のような定義があります。
オープン・リレーションシップ(英語: open relationship)は、結婚に準じるような人間関係において、一緒に生活することを求めながら、一夫一婦制(モノガミー)の形態をとらないノン・モノガミー (non-monogamy) の関係をとることに合意している状態。
日本語では「開かれた関係」などと訳されることもある。このような関係において、当事者は互いに、相手が他の人物と恋愛関係なり親密な(性的)関係をもつことを受け入れ、容認、許容することがあらかじめ合意されている。
一般的に、オープン・リレーションシップ関係を結ぶ当事者は、デートをするといった一時的なものであれ結婚といった恒久的なものであれ、複数の恋愛関係、性的関係を同時並行してもっていることが多い。
引用元:ウィキペディア
「浮気」や「二股」とは違い、あくまでも「合意」のもとに成り立っている関係性です。
オープンリレーションシップ実践中でも出会いはごく一般的
私が出会ったオープンリレーションシップを実践するヨーロッパ人カップルが出会ったのは学生時代。
彼の方が年上で、チューター(家庭教師)とはちょっと違うけれども、彼女に時々勉強を教えるような間柄だったそうです。
現在のヨーロッパでは、「オープンリレーションシップ」という恋愛スタイルを取り入れるカップルも徐々に増えてきて世間に浸透していますが、彼らが自国を離れる前は、オープンリレーションシップを周囲の人に認めてもらうことは「絶対にありえない」と話していました。
そして元々は、彼も彼女も「お互い」以外のデート相手はおらず、いわゆる一夫一妻制の関係でしたが、オープンリレーションシップという恋愛スタイルを取り入れるようになったのは、2人が海外に移民した後になります。
オープンリレーションシップをすることになったきっかけ
2人がオープンリレーションシップをするようになったのは、男性側の告白がきっかけ。
実は彼、型にはまらない考え方の持ち主で、ヨーロッパに住んでいた頃から「こうあるべき」という世間一般の狭い考え方に辟易していたようです。
そこで彼は、彼女にこう伝えたと言います。
この告白がきっかけで、「オープンリレーションシップ」という現在のスタイルに至ったようです。
オープンリレーションシップに嫉妬はないのか?
私が一番気になっていた、「オープンリレーションシップをすることで嫉妬に苦しむことはないのか?」という疑問。
元々は彼からの提案だったので、受け入れる側の彼女からしてみたら、そりゃぁもう不安だったと言います。
彼のことを「こんなにやさしくて、頭が良くて、面白い人、私の国ではなかなか出会えないような人」と語る彼女。
だからこそ、ほかの女の子が彼に惹かれないわけがないと、嫉妬に苦しんだと話してくれました。
「彼が自分を捨てて、自分の元を離れたらどうしよう…」
「こんなに素敵な相手、もう絶対に出会えない…」
「この嫉妬の感情が消えればいいのに!」
「彼のことが好きじゃなくなればいいのに!」
「あ~もうヤダ!」
このような感情が波のように押し寄せてきて、最初の数年は受け入れることが難しかったそうです。
それでも現在まで人生を共にできている理由は、ただ単純に「この人以外に私のパートナーは考えられないから、このまま進むしかない」と現実を受け入れたからだと言います。
円満な関係を続けるために持つべき「自信」
オープンリレーションシップを続けながら彼と円満なパートナーシップを築くという現実を受け入れた彼女に対し、彼には2つの「自信」がありました。
1.「自分は絶対に彼女の元を離れない」という自信
オープンリレーションシップを提案した彼ですが、2人の恋愛スタイルを不安に思う彼女に対し、何度も何度も言い続けてきた言葉があります。
その理由は、彼にしてみたら明白。
「だって、彼女以上に面白くて頭が良い女性、他にいないもん!社会進出に対して意欲的で、こんなにも頭がいい女性、自国では出会ったことない!」
そう!彼にとっては彼女が最高!!彼女以上の人はいない!!という自信があったのです。
2.「彼女は絶対に自分の元を離れない」という自信
彼が彼女の元を離れないという自信があっても、パートナーシップである以上、彼女が彼の元を離れてしまう可能性もある…。
その点に対しての不安がなかったのか彼に聞いてみたところ、「いゃ、彼女は絶対に僕の元を離れないって自信もあった」と堂々と話しました。
彼にとって最高な彼女なら、他の男性にとっても魅力的と容易に予想できるのに、なぜ不安にならないのか?その自信は一体どこから来るのか?
それは、これまで2人が歩んできた道のりの中にあったのです。
円満なパートナーシップを築くための覚悟
私が出会ったオープンリレーションシップを実践するカップルには、婚姻関係があります。
オープンリレーションシップを始める前には、円満なパートナーシップを築く覚悟をするという段階を踏み、現在に至るようです。
彼が自国にいる時から「今のこの暮らしを抜け出そう」と奮闘して移住を計画する
↓
お互いを「パートナー」としてコミットする(婚姻関係を結ぶ)
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彼が海外移住に向けてビザを取るため、2人が別々の国に住まなければいけない期間ができる
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彼が無事就労ビザを取得
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後に彼女を呼び寄せ、海外で生活の基盤を作る
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彼女も仕事を見つけ、経済的に安定する
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現在は2人の稼ぎで彼と彼女の自国の家族の生活まで支えている
海外で就労ビザや永住権を取り、パートナーを自国から呼び寄せて、自国の家族の生活の基盤も支えるって、相当な努力をしなければとても難しいこと…。
実際のところ、努力をしている人はたくさんいるけど、実現できないこともある…。
だからこそ彼女の心には、「彼が海外で仕事を見つけてビザを取って移住し、私を呼び寄せてくれたからこそ、この世界で頑張れている。すべて彼の頑張りが根底にあるし、私たちの今があるのは彼のお陰。」という想いがあるのです。
覚悟を決めて、腹を据え、行動する。
これは、円満なオープンリレーションシップを築く以前に、円満なパートナーシップを築く上でも大事なんだと、2人の話を聞いて実感しました。
オープンリレーションシップを実践する上でのルール
彼らが円満なオープンリレーションシップを築く上で、お互いに守っているルールがあります。
お互いに秘密を持ったり隠し事があることが原因で、信頼関係が壊れてしまうことを防ぐために、相手にすべてをオープンにする。それが相手への誠意だと言います。
また彼曰く、「僕が選ぶ相手は、きっと彼女も気に入ってくれる(納得してくれる)」という自信もあるらしく、彼女も最初の頃とは違い、「オープンリレーションシップなら、お互いにマンネリ化することもなくて、フレッシュな風を吹き込んでくれる」という考えが芽生えたそうです。
円満なオープンリレーションシップの秘訣
1:お互いに「これ以上いない相手」が1番のパートナー
このカップルが上手くいく理由の一つは、お互いがお互いに「人生のパートナーとしては、これ以上の人はいない」と思っていること。
- どちらか一方が相手に依存している関係ではない
- 経済的レベルが対等
海外に移住できたのは彼の頑張りがきっかけですが、対等な関係ということが大前提。
さらに家事は彼の方が得意で、「女性だから彼女がやるべき」とはこれっぽっちも思ってもいない。「得意な方がやればいい」という考えなのです。

2:彼女を「都合のいい相手」と思っていない
「オープンリレーションシップ」を提案した彼は、絶対に彼女を「都合のいい相手」と思うことはないと断言。
むしろ、何か問題があるときはとことん話し合って、お互いに納得できる答えが見つかるまで向き合ってきたと言います。

3:彼らの考えに賛同できる相手が少ない
私が出会ったオープンリレーションシップ実践カップルは、今のスタイルが現時点では最良の選択肢だと言いいますが、実はお互いの「デート相手」がこのスタイルを理解する方が難しいと語ります。
だから、もし理解できる相手がいたら、彼とも彼女とも仲良くできることになり、2人とも楽しいお付き合いができると、ポジティブに捉えているのです。
オープンリレーションシップをおススメする?
オープンリレーションシップを実践していて、その素晴らしさを知っているカップルの秘訣と本音を紹介しましたが、この2人は「他の人にはすすめない」と口をそろえて言います。
彼女曰く、オープンリレーションシップは彼が相手だからできたことで、他の人じゃ絶対無理。最初の頃の辛さを知っているからこそ、簡単には乗り越えられないことも理解しています。
最初に提案した彼も、「勘違いしないでほしいのは、これは浮気や二股じゃなくて、彼女が理解してくれているからこそ実践できるスタイルで、お互いの信頼関係がベースにあることが前提」と、話していました。
考え方が一般的ではないことは彼自身も承知していて、だからその分、彼女の家族までサポートする!という覚悟を背負っている。
オープンリレーションシップの奥深さと素晴らしさを知っているからこそ、軽い気持ちではおススメしないのです。
オープンリレーションシップは無理…でも、状況によってはアリかも?
最近では日本にも「オープンリレーションシップ」という恋愛スタイルが(海外から?)流れ込んできていて、楽しんでいる人もいるようですね。
新しい恋愛スタイルが日本に存在すること自体には賛成ですし、様々な価値観を経験できるいい機会かと思います。
私自身は、オープンリレーションシップを実践する男性に恋をして撃沈したので、当時を振り返ると精神的にキツかったというのが正直な意見ですし、「私には無理だな」と思いますが、それでも最近は「状況によってはアリかも?」と1%だけ考えられるようになりました。

オープンリレーションシップを実践している人と関わってみると、自分自身を違った角度から見ることができますし、「新たな自分」を発見することもあります。
逆に、苦しい思いをしたり傷ついたりすることも、もちろんあります。
でも、自分を責める必要なんか全くないですし、絶対覚えておいて欲しいことは、海外でも意中の相手との関係にコミットメントを求める女性の方が圧倒的に多いということです。