
私は、オーストラリアの語学学校で日本担当のマーケター(日本人カウンセラー)をしていたのですが、実はこの仕事、無給のインターンシップからのスタートでした。
タダで働くインターンの面接なら、余裕で突破できるでしょ?…と思ったら大間違い!
私が応募した無給インターンの倍率は約30倍!
しかも、すでにビジネスレベルの英語力を持っていた人や、有名企業で就労経験のある人も応募してきたと後から知りました。
海外オフィスでの就労経験は、日本では絶対に得られない経験ですし、最初は無給のインターンだとしても、どこに本採用のチャンスが転がっているかわかりません。
ということでこのページでは、海外インターンシップに必要な心得や倍率30倍の面接を突破できた理由についてお話をしようと思います。
目次
インターンシップとは?
インターンシップ(英:internship)とは、特定の職の経験を積むために、企業や組織において労働に従事している期間のこと。 商人・職人のため徒弟制度と似ているが、標準化や監査などはされていないため、指すところの内容は様々である。略称として、インターンとも呼ばれる。
引用元:ウィキペディア(https://ja.wikipedia.org/wiki)から一部抜粋
日本ではまだ幅広く浸透していませんが、海外の就活制度は日本のものとは異なるので、インターンシップの重要性は大きいです。
海外でインターンシップが大事な理由
それではまず、海外ではなぜ「インターンシップが大事なのか」についてお話しします。
1.実務経験とコネ

「新卒採用」がある日本とは違い、海外の現地企業では、ポジションに空きが出たり、事業拡大という理由でないと新しい人材を募集しません。
求人募集が出ると、大学を卒業したばかりの社会人(新卒)と経験者が同じポジション争いの土俵に立たされます。
「経験」が重要視される海外において、新卒では不利になるのです。
そのため、学生のうちから企業でインターンをして実務経験を積むことが必要不可欠!
募集しているポジションに関連した「経験」がある場合とない場合では、書類選考(履歴書)の段階で差が出ます。
少しでもいいので、まずは経験を得ることからスタートしなければいけません。
また海外では、企業が求人募集をかける前に知り合いの伝で人事担当者と会い、採用に繋がることもあるので、コネを作っておくことも大事です。
2.リファレンスレターをもらう

インターンシップをする目的の2つ目は、リファレンスレターを書いてもらうこと!
海外の就職活動では、「このポジションにふさわしいのは私である!」ということを、第三者(前職の上司が一般的)に証明してもらうことが重要です。
日本で職歴があっても、現地オフィスワークでの仕事が欲しいなら、現地のオフィスワークでの経験とリファレンスレターがあると有利(もしくは、ないと仕事を得るのが至難の業に…)!
そのため、無給インターンのポジションには、自国で実務経験のある外国人が「経験とリファレンスレター」を目的として、飛び込みで履歴書を持ってくることがよくあるのです。
3.入社後のミスマッチを防ぐ
日本の企業でよく起こりがちな「入社後のミスマッチ」ですが、インターンをすればそのリスクは軽減させられます。

4.本採用につながる可能性がある

- インターン中に上司に気に入ってもらえて、その会社でそのまま採用された!!
- インターン中に他のポジションに空きが出て、本採用をもらえた!!
- 産休に入る人の代わりに採用された!!
スタート地点が無給のインターンだったとしても、その後本採用が決まることがあります。
たとえ合法で働けるビザを持っていたとしても、外国人にとって現地の企業で働くことは簡単ではありません。
人によっては、200社応募しても就職先が決まらないこともあり、なかなか厳しい世界です。
仕事がなければ家賃を払えないため、自国に帰国するか希望していない仕事に就くという不本意な選択を迫られることもあります。
インターン中に採用が決まると、心の負担が軽くなるのです。
海外オフィスのインターンシップの心得
経験を積んだり、適職を見極めに行く海外インターンですが、インターンシップに過度な期待は禁物です。
というわけでここからは、海外オフィスインターンの心得をお伝えします。
1.仕事を手取り足取り教えてくれる先輩はいない
日本の新人教育とは違い、海外では仕事を手取り足取り教えてくれる先輩はいないと思いましょう!
仕事はやりながら覚えていくという点は日本と同じですが、常に自分で考えながら自分で動くスタイルです。
もちろん、仕事の業務内容、データベースの使い方、わからないことは教えてくれますが、自主性が問われます。
また、日本のように「座学研修」なんていうものもありません。
2.仕事内容は事務作業などと限られている

無給のインターンに任せられる仕事には制限があります。
基本的には事務作業が多いですが、ざっくり言うと以下の業務がメインです。
- データ入力
- 電話を取る
- 資料を集める
- 資料のチェック
- 必要資料の作成
- 領収書の発行
- イベント準備・後片付け

3.働きたい業界(職種)じゃないと無給はキツイ

海外の現地で就活をすると、実は無給のインターンを募集している会社はいくらでもあるということに気づきます。
でも、海外で無給インターンをするのは、「日本ではできない経験をさせてもらう」という目的があるからだと思います。
そのため、「自分が働きたい業界」や「興味のある分野」でないと、無給で働くことはかなりキツイでしょう。
興味のある業界なら、「無給でも仕方ない」という覚悟ができたり、苦しくても乗り越えられることがあります。
4.無給の場合、仕事掛け持ちするか、貯金使い果たすか覚悟する
インターンシップには有給と無給がありますが、無給インターンなら、期間中の生活費をどうするか考えなければいけません。
- 空いている時間にアルバイトをする
- 全力で吸収することだけを考えて貯金を切り崩す
空いている時間にアルバイトをする場合、体力的にキツくなります。
貯金を切り崩す場合は、ちゃんと終わりを設定しないと、日本に帰る飛行機代がなくなってしまうかもしれません。

海外オフィスインターンシップの面接を突破できた4つの理由
無給のインターンなのに、「現地企業からの募集」になっただけで、なぜか応募が来る海外オフィスインターン。
ここからは、採用担当マネージャーに聞いた「面接を突破する決め手になったこと」をまとめます。
1.ある程度の英語力

無給とはいえ、海外オフィスでのインターンシップの募集。
倍率は約30倍と本採用に比べ1/3程度ですが、英語ができる応募者が多数です。
ネイティブレベルである必要はありませんが、オフィス内で現地スタッフの指示を聞き取ったり、ホウレンソウができるだけの英語力は必要になります。
2.「その経験がしたい」という熱意
英語力と同様に大事なのが、「その経験がしたい」という熱意!
面接の内容も大事ですが、私がインターンシップに応募した時は、以下のメールの一文で採用することがほぼ決まったそうです。

現地企業インターン応募の際に送ったメールの一部
そして、約30通の応募の中で、私と同じように熱意のある1文を書いた人は、誰もいなかったとのこと。
経験やスキルで自分よりも優れている人はいくらでもいますが、「どうしてもそれがやりたい!」という気持ちは、誰がどの程度表現しているかわかりません。
熱意をズバッと伝えて効果を発揮することもありますし、一人勝ちの可能性だってあります。
3.部署・ポジションと関連した職務経験
現地企業のオフィスには部署がたくさんありますが、インターンシップの募集案内には、どのポジションのサポートで募集しているかが記載されていることがあります。
例えば、私が働いていた語学学校の場合、募集していたのはマーケティングチームのサポート。
つまり選考基準は、営業経験のある人でした。
実際のところ、
- 英語力があっても日本での「営業経験」がない
- 日本の大企業で働いていたけど、所属していた部署が「営業」じゃない
など、ピンポイントで営業の経験がある人の応募は少数。
確かに、前職のネームバリューや抜群の英語力は魅力的ですが、欲しいポジションでの経験があるか?の方が重要視されるようです。
4.「海外で働けるなら何でもいい」と妥協しない
インターンシップの面接を受けたとき、ニート歴約2か月だった私。
面接では「なんで今働いてないの?仕事なんていくらでもあるよね?」と質問されました。
ここで私は、生意気ながらこう答えました。
そうです!「海外で働けるなら何でもいい」と妥協しなかったことが採用を後押ししました。
海外就労やインターンシップは、日本帰国後の就職活動や転職にプラスになることもありますが、経歴には全く関係ない職種での経験では、印象に残らないこともあるのです。
無給でもインターンシップに挑戦すべき3つの理由
無給とは言えバカにできないインターンシップ。
最後に、「無給でもインターンシップに挑戦するべき3つの理由」をお話しします。
1.ガチで本採用になることがある
これは、インターンとして働き始めた頃、上司に言われた一言です。
無給からスタートさせて、いいスタッフだったら本採用の声をかける!
まさに海外の就職活動そのもので、ワーホリビザで海外に渡航した場合でも可能性はあります。
職場環境の変化(人の出入り)が激しい海外では、どのタイミングで人手が足りなくなるか、組織に入る前にはわからないものです。
実際、私のインターン先(元職場)では、「私」と「もう一人のインターン」の2人が別々のポジションで同時期に昇格しました。
ビザステータスよりもやる気重視な採用担当者がいる
海外では、ビザステータスが「ワーキングホリデービザ」というだけでバカにされたり、門前払いを食らうことがあります。
ですが、私を推薦してくれた元上司はこういう考えの方でした。
- 結婚して永住権を持っている人は、どこでも働ける
- 永住権を持っていても、ワーホリの人より英語ができないこともいる
- ワーホリでもやる気・ガッツのある人がいる
「永住権」も「ワーホリビザ」も、ただの滞在する手段であって、やる気や人格を表すものではありません。

いつ、どこで、誰が、なにを見てるか、わからない!!
私の最終学歴は、大卒ではありません。
オーストラリアに来る前は、アルバイトを掛け持ちするフリーターの時期もありました。
現地オフィスのインターンシップに応募した時も、同じ日本人で「学歴・職歴・英語力」のすべてで私に勝る応募者は何人かいたようです。
でも、現場を見ているマネージャーは、「この人は何ができるか」「この人はどこまでやるか」を見ています。
最後に私が言えることですが、海外の現地では、いつ、どこで、誰が、なにを見てるか、わからない!!!!!
だから、インターンシップだからといってバカにせず、やってみることをおススメします。