こんにちは、チファニーです。
リゾートバイトでフロントの仕事を経験したのですが、同じフロントなのに「ホテル」で働くか「旅館」で働くかによって違いがあると感じました。
もちろん、施設の規模や料金・星の数(評価)によって業務内容も変わってくることもあると思います。
「フロント業務ってどんな仕事?」
「どっちの環境が自分に向いているのかわからない」
そんな疑問を解決するために、この記事では、ホテルにも旅館にも共通する「基本的なフロント業務」を踏まえながら、「ホテルと旅館のフロント業務の違い」を比較したいと思います。
目次
【まずは基本】フロントの仕事内容
フロントの仕事内容には、以下のようなものがあります。
チェックイン/アウト
フロントデスクの仕事と聞いて一番最初に思い浮かぶものは、やはり「チェックイン・チェックアウト」!
宿泊するお客様の出入りは、すべてフロントによって管理されます。
フロントのメイン業務です。
宿泊予約管理
予約管理もフロント業務の一つ。
ただし、ホテルや旅館の規模によって、予約課がある大型の施設、フロントが宿泊予約も管理する中・小規模な施設と分かれます。
ですが、どの宿泊施設でもフロントがアサイン(部屋割り)業務を担うことが多いです。
会計(キャッシャー)
宿泊料金のお会計、ホテル・旅館内で利用したレストラン・バー・ラウンジ・アクティビティ等のお部屋付の精算はフロントデスクの仕事です。
1日に何度かレジ閉め作業があるホテルもあります。
館内案内・観光案内
フロントスタッフは、ホテルのすべてを知り尽くしておかなければいけない部署。
お客様からは、以下のような細かい質問をされます。
- アメニティで用意されているもの・されていないものの把握
- リモコンの使い方の説明を電話で対応
- 部屋のどこにどのスイッチがあるのか
また、宴会場や会議室の場所・自動販売機の位置・エレベーターに近い部屋なども把握しなければいけません。
観光案内は、ホテルにベルやゲストリレーションがあれば対応をしてもらえることもありますが、たいていのお客様は最初にフロントデスクに問い合わせをするので、最低限の基礎知識は必要です。
電話対応・各部署への連絡
お客様や提携会社からの電話対応もフロント業務の一つ。
そこからレストラン・ベル・ハウスキーピング・予約課・営業など他部署への電話連絡業務も発生します。
まさに、ホテルの中枢となるポジションですね!
【比較】ホテルフロントvs旅館フロント!1日の仕事の流れ
基本のフロント業務がわかったところで、「ホテルフロントvs旅館フロント」の1日の仕事の流れを比較したいと思います(※私が勤めたホテルと旅館の例を用いての説明です)。
ホテルフロントの1日の流れ
7:00~10:00
●ひたすらチェックアウト(宿泊者データ入力しながら)
●当日・翌日のお客様の部屋割り・団体宿泊者リスト作成(前日の残りがあれば)
↓
10:00~11:00
●午前のレジ閉め
↓
11:00~15:00
●団体宿泊用のルームキー作成&チェック
●事務作業
●朝番の人がチェックイン開始までに順に昼食
↓
15:00~22:00
●ひたすらチェックイン
●チェックイン時お客様に記入してもらった宿泊カードのデータ入力
●次の日の宿泊するお客様の部屋割り
●ルームキー作成
●翌日・翌々日のお客様の部屋割り・団体宿泊者リスト作成
●夕方分のレジ閉め
↓
22:00~翌朝
●夜の分のレジ閉め
●バッジ処理
●15:00~22:00までに終わらなかった仕事を引き続き行う
※21:00頃からルームサービスの電話が鳴り始めます。
※22:00~翌朝までの仕事は、基本的にはナイトフロントの仕事です。
フロントが24時間営業ならば、1日の仕事を細かくシフトやポジションで分けます。
私が勤めたホテルの場合、仕事が落ち着くのは22:00頃が目安でしたが、トラブルが発生するとすべての作業が押されますので、残業が多く発生することもしばしば。
事務処理も同時に進めていて、常に手を動かしている状態なので、ひたすらパソコンに向かって仕事をする感じですね!
旅館フロントの1日の流れ
8:00~11:00
●チェックアウト・お会計・荷物の配送の手配
↓
11:00~12:00
●玄関~フロント・廊下の掃除
↓
12:00~12:30
●昼食を取りながらお客様リストの確認
↓
12:30~14:00
●全客室の部屋チェック
↓
14:00~17:00
●チェックイン(お着きで館内の案内・観光案内・お茶出しまでやります)
↓
17:00~17:30
●中番・遅番シフトの人は夕食
↓
18:00以降
●他部署のヘルプ
●DM作り、事務作業など
旅館でのフロント業務は、7:00 or 8:00~21:00(ナイトフロント除く)の場所が多いですが、シフトにより早番・遅番などがあります。
【比較】お客様とのコミュニケーション量の違い
ホテルフロント
中~大型ホテルでのフロント業務は、1組のチェックインにかける時間を短縮し、いかに丁寧に素早くお客様対応をするかがカギとなります。
お客様とのコミュニケーションは、「旅館フロントに比べると少ない」こと、お客様とは「広く浅い関わり方」という印象です。
旅館フロント
旅館フロントは、ホテルフロントよりもお客様に近く、「おもてなし」が優先されます。
館内説明をしながらのお部屋まで案内する業務もフロントが担当する場合、お客様の宿泊の目的(お祝い・記念日・全国温泉巡り中)などのお話もするので、コミュニケーションとしてはホテルフロントよりも多いのです。

例えば、私が経験したホテルフロントでは、1組のチェックイン対応時間は「〇分〇秒以内」というマニュアルがありました。
それに対し旅館フロントは、お着きのお客様の部屋案内からお茶出しまで対応するため、所要時間は15分~20分(外国人だともっと)かかります。
【比較】仕事の幅の違い
ホテルのフロントは、基本的に「カウンター」から外に出ることはほとんどなく、フロントポジションの仕事以外に携わることは皆無に近いです。
それでも、部屋のスイッチの位置まで把握しておかないといけないので、頭の中だけで仕事を完結させなければいけない印象。

一方で旅館フロントは、売店レジ・ラウンジのヘルプ・部屋案内・荷物運び・掃除・公共スペースのチェック・お出迎え・お見送りなど、幅広く対応することがあります。
覚えることがたくさんあって大変ですが、逆に言うと飽きが来ないし、いろんな仕事に触れられて気分転換になるのですね!
フロント業務に必要なもの・スキル
ここでは、フロント業務をやってみて、「最低限必要なものはこれだ」と思った要素を説明したいと思います。
体力
フロント業務は一日中立ちっぱなしの仕事。
日によっては12時間立ち続けなければいけない日もあります。
ホテルの顔で華やかに見えますが、足はパンパンになりますし腰にも負担がかるので、まずは体力が一番重要です。
笑顔・明るい表情・明るい声
お客様の前で「笑顔」でいることは、ホテル業界に限ったことではありませんね(笑)
また、いつどこで誰に「表情」を見られているかもわかりませんし、会話をする時の「声のトーン」にも注意が必要です。
笑顔も表情も声も「明るさ」が求められます。
コミュニケーション能力
ホテルの中枢であるフロント業務は、お客様とのやり取りはもちろんですが、他部署とのやり取りも頻繁にあります。
連携が必要な場面がたくさんありますので、業務をスムーズに行うための「コミュニケーション能力」は必要不可欠です。
言葉遣い・礼儀・マナー
お客様との対面での会話・電話での会話では、しっかりとした言葉遣いが求められます。
また、お客様に不快感を与えない対応、礼儀やマナーを身に着けることも心がけましょう。
忙しくても忙しく見せないスキル
どんなに忙しくても、お客様の前で忙しさを出してしまうと、「業務に追われている」というフィードバックをもらうことがあります。
くつろぎの空間を提供しているホテルや旅館なら尚更です。
常に平静を装うのはなかなか難しいですが、「忙しくても忙しく見せない」ことを意識するところから初めてみましょう!
【ホテルフロントvs旅館フロント】どっちが向いている?
ここまで、ホテルと旅館のフロント業務について比較してきました。
両方の宿泊施設でフロント業務を経験した私が、それぞれのフロントデスクに向いている人の特徴を挙げるとするなら、以下のようになります。
- 明るい表情を保ちながら業務を淡々とこなし、同じ作業をひたすら繰り返せる人。
- 業務スピードを上げることに喜びを感じる人。
- 事務作業が苦じゃない人。
- PCスキルがある人(or PC操作に抵抗がない人)
- お客様と会話をするのが好きな人。
- 「お客様を楽しんでもらいたい」「お客様にくつろいでもらいたい」と思う人。
- よく気がつく人。細かいところまで気配りができる人。
同じフロント業務でも、働く環境によって「お客様との距離感」や「仕事の幅」に違いがあります。
あなたはどちらのタイプですか?
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